Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 迪夫 上智大学, 国際教養学部, 教授 (70099927)
玉井 哲雄 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究系, 教授 (80114297)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 教授 (60143533)
杉森 哲也 放送大学, 教養学部, 准教授 (20226468)
藤川 昌樹 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (90228974)
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Research Abstract |
(1)研究資源の蓄積の一環として,国宝『洛中洛外図』(米沢市上杉博物館)の8×10サイズフィルムによる高精度撮影を行ない,これを2000dpiで読み込みデータ化した。 (2)高精細画像を用いた歴史図像学研究や絵画史料研究をより多くの研究者に広めていくために,撮影をさせていただいた作品を所蔵すえ機関の研究者たちとの共同研究を提案,実行に移した。一昨年撮影した大阪城天守閣とは,すでに共同研究を開始している。本科研で撮影した高精度撮影による高精細画像は,研究用プラットフォームにアップし,一般公開を視野に入れつつ共同でデータを構築し,次年度以降にその具体的な運用方法を詰める予定である。同じ仕方で,岐阜市歴史博物館(『洛虫洛外図』)や米沢市上杉博物館(同上,(1)参照)とは,来年度より共同研究を開始する。また,研究代表者の所属する立正大学においては,大学と関連の深い絵巻物(『日蓮聖人註画讃』)を共同研究すためのプラットフォーム開発を終えることができた。 (3)これらの共同研究の成果を,市民に提示するための,絵画作品とデジタル高精細画像のコラボレートによる展覧会・エキシビジョンなどの実現のための可能性を検討しはじめた。 (4)高精細画像の研究における活用として,ただ,拡大・縮小が容易であるというほか,拡大画像を仔細に検討することにより,作品の詳細な状態が検出できることに注目した。その状熊の解釈に,絵画や工芸制作の技術に関する知識を援用することによって,当該作品の制作プロセス等の分析にも応用可能であることが判明した。次年度以降に,本格的に検討を行う予定である。 (5)『大坂夏の陣図屏風』のような合戦図屏風の画面を読解するための基本史料である『甲陽軍鑑』の書誌的・内容的検討も,前年度に引き続き行っている。また同様の音図から中世末〜近世の武家故実や含戦について記述する文献類を調査,語彙データベースを構築しつつある。
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