2006 Fiscal Year Annual Research Report
西アジア死海地溝帯におけるネアンデルタールと現世人類交替劇の総合的解明
Project/Area Number |
17102002
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
赤澤 威 高知工科大学, 総合研究所, 教授 (70013753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
鈴木 宏正 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40187761)
近藤 修 東京大学, 大学院理学系研究科, 准教授 (40244347)
定藤 規弘 自然科学研究機構, 国立生理学研究所, 教授 (00273003)
青木 健一 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (30150056)
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Keywords | ネアンデルタール / ホモ・サピエンス / 進化 / 化石人類 / 脳 / デデリエ / アムッド / カフゼー |
Research Abstract |
研究実績の概要 1.人類進化博物資源総合データベース作成 (1)人類進化博物資源データベース(入力遺跡総数1034;入力画像総数10,034)、(2)化石人骨データベース(入力遺跡総数42;147個体)、(3)西アジア旧石器時代遺跡データベース(入力遺跡527)、(4)遺跡年代データベース(入力遺跡総数100) 2.シリア・デデリエ洞窟発掘 (1)1万4000年前以降の終末期旧石器時代、ナトウーフ期の遺構群の発掘、(2)7万年前以降の中期旧石器時代、後期ムステリアン期堆積物の発掘;ネアンデルタール人骨確認(未発掘)、(3)20万年前以降の中期旧石器時代、初期ムステリアン期堆積物の発掘、(4)30万年前以降の前期旧石器時代終末期、ヤブルディアン期堆積物の発掘、(5)遺跡年代測定、(6)自然遺物の同定記載、(7)土壌堆積物の分析、(8)デデリエ洞窟三次元計測 3.旧人ネアンデルタールと新人ホモ・サピエンスの頭蓋・脳の復元研究 (1)アムッド1号人骨(旧人ネアンデルタール)、カフゼー9号人骨(新人ホモ・サピエンス)の頭蓋のCT測定データより三次元頭蓋モデル、三次元エンドキャストモデルを生成し形態解析した。 (2)日本人成人の頭部MRI核磁気共鳴画像の撮像データ解析を通して、ヒトの頭蓋内腔形状と脳の構造および位置関係を推定する方法理論を検討し、併せて、現代人の頭部画像データを利用して,ネアンデルタール頭蓋内に脳を再現する研究を実施した。 (3)アムッド1号・カフゼー9号人骨の頭蓋・脳鋳型(エンドキャスト)の実体モデルを創成した。 4.旧人ネアンデルタールと新人ホモ・サピエンス交替劇の理論的研究 (1)ヒトの行動パタンに際して想定される個体学習と社会学習という二つの戦略の進化に焦点をあて、数値計算によって調べ、個体学習のコストが比較的小さく、移住率が大きい場合には、個体学習の戦略が全域を占めるようになることが判明した。 (2)考古学的資料の種類内容の特質を時系列にそって解釈してみると最後の交替劇の前後で学習能力に程度差の存在が示唆された。
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Research Products
(6 results)