2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックフラクタルの構造設計・制御技術の確立と電磁波制御デバイス開発
Project/Area Number |
17106010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (60107084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐原 聡秀 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (40362587)
武田 三男 信州大学, 理学部, 教授 (20115653)
本田 勝也 信州大学, 理学部, 教授 (50109302)
迫田 和彰 (独)物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主席研究員 (90250513)
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Keywords | フォトニックフラクタル / 電磁波局在 / メンジャースポンジ / 構造・機能材 |
Research Abstract |
今年度は、1辺が300μm-81mmの3次元メンジャースポンジ(MS)型フラクタル構造の設計・造形技術を光造形法、焼結法、真空鋳造法等を用いて確立し、誘電体である樹脂、セラミックス分散樹脂、セラミックス焼結体、及び金属、金属分散樹脂の何れでも造形可能にした。 大型誘電体MSに対し、透過率、反射率、電場強度分布測定に加え、新たに90°散乱測定法を開発し、電磁波シミュレーションとも合わせ構造内での電磁波閉じ込め挙動を観測した。90°散乱スペクトルの極大ピークから見積もったQ値は約200であった。またフラクタル構造の幾何学と誘電率を使って閉じ込め周波数を予測する経験式を導き、実測局在周波数とのよい一致を見た。以上の結果から、電磁波閉じ込めもしくは局在が自己相似構造的な誘電率のコントラストによる電磁波の多重共鳴に起因していると考察される。 小型のアルミナ製や金属製MSのテラヘルツ時間領域分光法により、局在モードに対応すると考えられる透過率の極小及び90°散乱スペクトルの極大をそれぞれ観測した。金属におけるその特性波長は二番目の正方形エアロッドの遮断周波数に一致した。 FDTD法による数値解析プログラムを開発し,MSの局在電磁モードの固有周波数,電磁界分布,及び寿命(Q値)を高精度で求めることができた。また,90°散乱の数値解析を行って,散乱スペクトルのピーク周波数と半値幅から局在電磁モードの固有周波数とQ値が求まること,および,90°散乱の選択則を利用して局在モードの空間対称性が同定できることを示した。 MSの1次元版であるカントールバー構造に対する電磁波透過・反射率の厳密解計算も行い、フラクタルの自己相似性にもかかわらず周波数に対して周期的に透過率が鋭く減少する結果を得た。 以上の成果は論文・学会以外に、フォトニックフラクタル研究会(参加企業13社)で報告し実用化検討を行った。
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