2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックフラクタルの構造設計・制御技術の確立と電磁波制御デバイス開発
Project/Area Number |
17106010
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 欽生 Osaka University, 接合科学研究所, 教授 (60107084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐原 聡秀 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (40362587)
武田 三男 信州大学, 理学部, 教授 (20115653)
本田 勝也 信州大学, 理学部, 教授 (50109302)
迫田 和彰 (独)物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, センター長 (90250513)
|
Keywords | フォトニックフラクタル / メンジャースポンジ / 電磁波局在 / テラヘルツ / H字型フラクタル / セラミックス / 共鳴 / 光造形 |
Research Abstract |
大阪大学では、セラミックス製メンジャースポンジ型マイクロフォトニックフラクタルを複数個規則配列したデバイスを作製し、共鳴による電磁波局在を確認するとともに、テラヘルツ領域でのアンテナやフィルター、センサー等への応用の可能性を見出した。また、金属製マイクロフォトニックフラクタルの作製に成功し、電磁波局在を解析した。本研究により、マイクロ波からテラヘルツ波を局在制御するセラミックス及び金属製フォトニックフラクタルの設計・作製技術を確立した。 信州大学では、高抵抗シリコン基板上に形成したH字型フラクタルによりテラヘルツ波が局在することを実験及び数値解析により検証し、論文とした。共鳴波長のステージ数およびライン幅依存性を詳細に調べ、ステージ数を上げることにより構造体自身の面積をさほど変えることなしに共鳴波長を大きく制御できることを実証した。また、フォトニックフラクタルにおける電磁波局在機構を理論的に解明するため、フラクタル構造の最も典型的な例であるカントール型集合内の電磁波挙動に対して、定常的強度分布およびその時間発展を計算機実験のもとで視覚化を行い、共鳴現象発生の機構を探った。 物材機構では、昨年度に開発したLCAO法による局在電磁モードの解析法とFDTD法による数値計算を組み合わせて,ステージ3の金属メンジャースポンジを詳細に解析し,固有周波数のスケーリング則とモードの対称性に起因するQ値の分布を見出した。 最終年度に際し、米国ペンシルバニア州立大学および香港科学技術大学の共同研究者を招き、フォオニックフラクタル国際ワークショップを開催した。実験、理論、シミュレーションの各方面から最新の研究が報告され、電磁波局在機構について複数の有力な理論が提案され理解が深まるとともに、フォトニックフラクタルが、学術、応用両面に豊かな可能性を有していることに意見の一致をみた。
|
Research Products
(34 results)