2009 Fiscal Year Annual Research Report
更新世から縄文・弥生期にかけての日本人の変遷に関する総合的研究
Project/Area Number |
17107006
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
溝口 優司 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 人類研究部, 部長 (00110106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中橋 孝博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (20108723)
安達 登 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (60282125)
近藤 恵 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 助教 (40302997)
米田 穣 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
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Keywords | 人類学 / 日本人 / 形態 / DNA / 年代 / 更新世 / 縄文時代 / 弥生時代 |
Research Abstract |
形態とミトコンドリアDNAのデータに基づいて、日本列島住民の身体形質が、更新世から縄文~弥生移行期まで、いかに変化したかを明らかにし、新たな日本人形成過程のシナリオを構築する。これが本研究の目的であった。最終年度の平成21年度には、以下のような調査・分析を行ない、それらも含めて、これまでの研究成果を公開シンポジウムで、さらには雑誌「科学」にも特集を組んでもらって公表した。 1)港川人の形態学的再検討:後期更新世の沖縄港川人と北海道~九州地方の縄文時代人の間に下顎骨における多数の形態的相違点が見出だされた。これは両者の間に系譜的連続性を認める従来の仮説に見直しを迫るものである。 2)縄文時代人の祖先に関する統計学的再検討:典型性確率を使った頭蓋計測値の分析では、オーストラリア東南部出土の人骨化石、キーローなどに似た後期更新世人も縄文時代人の祖先候補とすべきであることが指摘された。 3)縄文時代早期人骨の形態学的調査:愛媛県上黒岩遺跡出土縄文早期人骨の再検討の結果、全体の7割近くが子どもであったこと、四肢骨は華奢で、虫歯の頻度は0.7%とかなり低くかったことなどが明らかにされた。 4)北日本縄文時代人骨のDNA分析:北海道縄文時代人のミトコンドリアDNAの一部は、最終氷期に南シベリアから、細石器と御子柴文化をもつ祖先によって持ち込まれた可能性が示唆された。 5)縄文時代人の食生態:人骨コラーゲンの炭素・窒素同位体比分析から、先史沖縄貝塚人の食物は主に魚貝類で、魚貝の外にクリ、ドングリなども食べていた本土縄文時代人とは、食生活が異なっていたことが明らかにされた。 6)骨計測値の地理的・時代的変異の分析:集団間変異パターンの解釈の基礎として、集団内での分析も行なった結果、おもな四肢骨の長さ・太さは互いに有意に関連しながら、頭蓋最大長とも関連をもつことが確認された。
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Research Products
(45 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
篠田謙一
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Journal Title
種子島西之表市上浅川遺跡・田之脇遺跡出土人骨のDNA分析(西之表市埋蔵文化財発掘調査報告書(22))
Pages: 21-25
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