2006 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群発症の分子基盤の解明と新たな診断・治療法の創出
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17109016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 良夫 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00127854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 直澄 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (60314879)
新垣 理恵子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40231120)
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Keywords | シェーグレン症候群 / α-フォドリン / 自己抗原 / アポトーシス / RbAp48 / Fas / RANKL / 抹消トレランス |
Research Abstract |
シェーグレン症候群の標的臓器(唾液腺)のアポトーシスに際し発現誘導される遺伝子として細胞周期関連タンパクRbAp48を見出した(図3左)。RbAp48遺伝子導入によりヒトおよびマウス唾液腺アポトーシスが確認されると同時に、リン酸化Rb、E2F, cyclin D3, p14ARF, アポトーシス関連蛋白としてBax, Bad, p53, cytochrome cなどの活性化が認められた。また、RbAp48強発現が自己抗原N末α-フォドリンの120KDへの分断化に必須であることが明らかにされた(Mol.Cell.Biol.26:2924,2006)。シェーグレン症候群の患者血清は自己抗原120KDα-フォドリンと特異的結合を示す症例の頻度が高いことから、自己抗原120KDα-フォドリン全領域をカバーする100アミノ酸からなるオーバーラッピングGST融合蛋白を作製し、病原性エピトープの同定を試みた(北大小児科との共同研究)。その結果、主要エピトープはN末端150アミノ酸に存在し、経過とともにエピトープの拡散(epitope spreading)を示すことが判明した(J.Rheumatol.33:1395,2006)。自己免疫疾患の成立には自己抗原ペプチドを自己反応性T細胞へ提示する抗原提示細胞の役割が不可欠である。シェーグレン症候群及び関節リウマチの疾患モデルでありFas遺伝子欠損として広く知られているMRL/lprマウスを用い、プロフェッショナル抗原提示細胞である樹状細胞(Dendritic cell : DC)のシグナルカスケードの異常について解析を進めた。MRL/lprマウスDCにおける従来まで解明されていなかった機能不全の詳細な分子機序を解析し、DCの機能不全が自己免疫病態の形成に大きく関与している可能性を実験的に明らかにした(Blood, in press、2007)
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Research Products
(6 results)