2008 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群発症の分子基盤の解明と新たな診断・治療法の創出
Project/Area Number |
17109016
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
林 良夫 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00127854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 直澄 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60314879)
新垣 理恵子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00193061)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 自己抗原 / アポトーシス / RbAp48 / RANKL / Fas / クラスII分子 / IFN-γ |
Research Abstract |
シェーグレン症候群の標的臓器アポトーシスに際し発現誘導される遺伝子として細胞周期関連タンパクRbAp48を見出した(Mol. Cell. Biol.26:2924-2935,2006)。最近、RbAp48トランスジェニック(TG)マウスを確立し、シェーグレン症候群の新たな疾患モデルとして報告した(J. Exp. Med.205:2915-2927,2008)。自己免疫疾患発症に密接に関連するアポトーシス経路を介した膜タンパク破綻機構の全容解明という本研究課題の推進にとってRbAp48-TG系の確立は好適なモデル動物となった。従来から、抗原提示細胞における異所性クラスII発現の分子機構にっいては不明であり、アポトーシスとの関連性についても解明が進んでいない。RbAp48-TGマウス唾液線細胞では病態増強とともに上皮細胞のアポトーシスが進行し、IRF-1やCIITAなどクラスII発現を誘導する転写因子が増強し、上皮細胞からの1L-18やインターフェロンγの産生が確認された。この新たな疾患モデルを用いてRNA干渉などによるアポトーシス制御、クラスII発現制御によってシェーグレン症候群の実験的治療法の検証が可能となる。また、正常C57BL/6マウスに卵巣摘出を施すと、摘出後1,2,3週に限り、唾液腺上皮細胞アポトーシスが認められ、CIITAの活性上昇とクラスII発現が確認されている(Am. J. Pathd.174:1715 2009)。抗原提示におけるアポトーシスカスケードと異所性クラスII発現のクロストークが示唆され、これらの分子基盤の総合的な解明によって薪たな診断法・治療法の開発が可能となると思われる。
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Research Products
(10 results)