2006 Fiscal Year Annual Research Report
大容量分散コンピューティングのための大規模スケーラブルP2Pグリッド基盤の研究
Project/Area Number |
17200002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 三久 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60333481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 泰祐 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (90209346)
建部 修見 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (70357432)
天笠 俊之 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (70314531)
櫻井 鉄也 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60187086)
山本 有作 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20362288)
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Keywords | P2Pコンピューティング / グリッドコンピューティング / 並列処理 / 分散処理 / オーバーレイ・ネットワーク / 大容量データ処理 |
Research Abstract |
P2Pグリッドとは、従来、各研究組織にある計算資源を共有することが目的であったグリッド技術を、P2P技術を活用しオフィスおよび個人のPCなどの潜在的な計算資源をグリッドの計算資源として活用するものである。本研究の目的は、期待される大量の計算資源による大容量コンピューティングのためのP2Pグリッド基盤を構築・利用する技術を確立し、実際のアプリケーションにおいて有効性を検証することである。当該年度においては、以下の研究を行った。 ・広域のデータ配布管理機構を用いたRPCによるプログラミングモデルが大容量コンピューティングに重要であることが分かってきた。データ配布・共有を効率的に行うためのレイヤOmniStorageを設計開発、評価を行った。さらに、大規模P2Pグリッドでの大容量コンピューティングのためのスケーラブルプログラミング環境を検討した。 ・P2P環境の潜在的な計算資源をグリッドの計算資源として活用するために、WindowsにおいてLinuxバイナリを実行するためのシステムBEEを設計し、OmniRPCに統合した。 ・P2Pグリッドの通信基盤として、UDPによるファイアウォール越えを用いたP2Pオーバーレイネットワークを実装・評価を行った。 ・大規模スケーラブルP2PにおけるXMLデータ管理について、拡張可能ハッシュを用いたピア間の負荷分散手法を開発し、その有効性を検討した。 ・従来の並列アルゴリズムでは効率的に実行できないP2Pグリッドの特性を考慮し、粗粒度の並列性をもつ分散処理型の固有値アルゴリズムを実装した。分子シミュレーションで現れるアプリケーションに適用し、その有効性を確認した。また、外部固有値問題に対応するために、非同期型の分散処理を行う多重リスタート付きArnoldi法を開発した。固有値計算および特異値計算のための高精度な性能予測手法を開発し,各種並列計算機上で実証を行った。
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Research Products
(14 results)