Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70303344)
諏訪 正樹 中京大学, 情報科学部, 教授 (50329661)
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 総合政策学部, 専任講師 (30365481)
仰木 裕嗣 慶應義塾大学, 大学院・政策・メディア研究科, 助教授 (90317313)
|
Research Abstract |
平成17年度では,力学モデルとして鞭運動を取り上げた.鞭運動の運動方程式は,最近米国の物理学者によって明らかにされたが,我々はチェロの運弓動作について,そのモデルとの整合性を確認した.特に,鞭運動での波動現象に着目し,最大速度の位置が物質中の音速に比例して伝播することから,その音速を決める剛性率を変化させることによって鞭運動を制御する方法を考え,演奏への応用を図った.筋骨格・脳神経モデルについては、拮抗筋の活動パターンおよび姿勢についての検討を行った.データマイニング技術による鍵属性の選択の研究では,候補属性の中から身体スキルを表現するのに本質的な役割を果たす鍵属性を選択するために,ラフ集合を用いてバイオリン奏者の特徴を抽出するための実験を行った.また,部分類似系列を求めるDTWの拡張手法を開発した.さらに,ピークタイミングを抽出するアルゴリズムを開発し,チェロの運弓動作における協調動作の抽出に成功した。メタ認知による属性発見では,野球におけるバッティング動作を課題として取り上げ,実際に教示を受けながら新たな視点を発見していく研究を進めた.スキル研究全体のプラットフォームとして,演技スキル表現系を設計し,これまで提案してきたさまざまな概念をその枠組みの中で再整理することに成功した.それらの概念には,特定の演技課題を遂行するための演技ルール,演技を行うための準備動作,演技中の筋肉の使い方を制限する動作一貫性制約条件,および,実際の動作の記述などが含まれている.また,与えられた課題を遂行するための適切な体の動きを求める問題を,計画問題として定式化した.その他の活動として,スキルサイエンスの研究討論会を3回開催し,活発な議論の場を提供した.また国際会議で研究成果を発表し,諸大学で研究成果に関する講演を行うと共に,国外における身体知の解明研究の調査を行い,研究協力の可能性を探った.
|