2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17200009
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 康一 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 教授 (10245615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (70303344)
諏訪 正樹 中京大学, 情報理工学部, 教授 (50329661)
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (30365481)
仰木 裕嗣 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 助教授 (90317313)
|
Keywords | 身体スキル / スキルの力学モデル / 鞭力学 / 体のインピーダンスの調節 / 時系列データマイニング / 帰納論理プログラミング / メタ認知 / 着眼点の発見 |
Research Abstract |
本研究課題は、本年度はつぎの4つの研究テーマに分けて実施した。(1)身体スキルの力学モデルの構築と、候補属性の発見。(2)データマイニング技術による鍵属性の選択。(3)力学モデルを背景知識とした関係知識の機械学習。(4)メタ認知による属性発見。 テーマ(1)では、チェロの運弓動作に関して、(c)下肢から体幹を経て、腕+手、さらには弓に運動量を効果的に伝達させる運動を鞭運動によりモデル化した。その結果、体幹近くで生成されたトルクを手の先へ伝達するプロセスが鞭波動の伝達としてモデル化できること、またその際に、その波動の伝達速度が体の剛性の平方根に比例することを明らかにした。そして、体の剛性をインピーダンスの増減によって調節可能であることを明らかにした。このことは、弦楽器演奏における背筋力の重要性を示唆している。 テーマ(2)および(3)では、弓の返しの周期と振り子長の関係について調べた。周期が1秒のとき、約25cmの振り子長となるが、それは肘を支点とする振り子に相当すると考えられ、そのような動きが期待されたが、実際には肩、肘、手首のすべてを使った複雑な運動を行っていることが明らかとなった。その理由は、前腕の方向が弦の方向と大きくずれており、肘を支点とした振り子運動によって運弓動作が出来ないことに起因していることが明らかとなった。また、その現象については、肩、上腕、前腕、手首についての筋電図を測定して、それらの問の関係を自己回帰モデルによるセグメンテーション、クラスタリングおよび帰納論理プログラミングに基づく時系列データマイニングの手法によって抽出した際に、その特異性の抽出に成功した。 テーマ(4)では、野球の打撃を対象とし、被験者に自らの身体運動とその体感を自己分析的に言語化させるメタ認知法を用いた。その結果、新たな着眼点の発見にメタ認知手法が大きな役割を果たすことを明らかにした。
|
Research Products
(16 results)