2005 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスタンパク質から評価する「適切適度な運動」の分子基盤の解明と教育への応用
Project/Area Number |
17200039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 順子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90125972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 恭光 東京大学, 教養学部, 特任助教授 (80303874)
八田 英雄 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (60208535)
柳原 大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (90252725)
桜井 隆史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60401204)
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Keywords | ストレスタンパク質 / 運動効果 / 適度な運動 / 分子機構 / sHSPs / HSP47 / ミオシン重鎖アイソフォーム / チューブリン |
Research Abstract |
身体は細胞からなる。個体及び細胞への機械的物理的刺激は、細胞を直接的に刺激すると考えられる。ヒトへの進化の過程で獲得してきた長時間持続可能な歩・走行は、「ヒトというシステムの活性化・適応獲得刺激」であるといえる。本年度は、適応機構、細胞内外のタンパク質のダイナミクスの評価分子としてストレスタンパク質(分子シャペロン)の発現を以下の2通りの実験で研究した。1)働きの異なる横紋筋7種類(骨格筋・心筋・舌筋・横隔膜等)におけるチューブリン、ミオシン重鎖のアイソフォーム及びαB-クリスタリンの発現の相関性を検討したところ、αB-クリスタリンの発現とチューブリンの発現には有意な相関があった。両者の発現は、ミオシン重鎖のType I>Type IId>Type IIa>Type IIbの順であった。Type IIdとの関係、他のストレスタンパク質との関係は次年度でみたい。2)運動負荷への応答を2つの方向で研究を進めた。in vivoではこれまでラットを対象に行ってきた《不活動モデル》としての関節固定・後肢懸垂、《活動モデル》としてのLT近傍での走行運動時や遠心負荷などの影響を(0.5〜2週間)後に、筋、アキレス腱、及び膝関節における低分子量ストレスタンパク質(sHSPs : HSP27及びαB-クリスタリン)、HSP47(コラーゲンのシャペロン)、及びHSP70の発現の変化について検討した結果、HSP47,sHSPsの発現は、負荷あるいは運動により発現が昂進し、負荷の解除あるいは不活動においては逆に減少することを確認した。HSC70には変化が見られなかった。筋芽細胞を用いて細胞での遠心負荷及びクリノスタットによる疑似微小重力刺激に対しHSP47 mRNAの発現は30分で有意に減少した。また培養筋管へのマイルド熱ショックは、筋管の幅を広くして接着を強化する刺激となることが明らかになった。
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