Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 泰司 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10192949)
高木 廣文 東邦大学, 医学部, 教授 (80150655)
下光 輝一 東京医大, 医学部, 教授 (90206243)
梅崎 昌裕 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30292725)
山内 太郎 北海道大学, 医学部, 准教授 (70345049)
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Research Abstract |
本研究は国内で初めて客観的な物理的環境指標による居住地域環境が人々の身体活動行動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。研究初年度から継続して行った文献研究の結果,複数地域の複数集団を対象とし,居住地域環境因子としては客観的,主観的な種々の因子についての検討が必要であること,身体活動については各種構成要素(移動,余暇,総身体活動)を包括的に網羅した検討が必要であることが明らかになった。 身体活動に影響を及ぼす可能性のある居住地域環境の評価法として,物理的環境をGIS(Geographic Information System)を用いた客観的な方法による実測で行う方法と,住民の主観的認知指標による調査法を提案することができた。 作成したGISデータベースによって,地域環境指標(世帯数,道路総延長,土地利用状況など)を対象者ごとに数値化することが可能であった。 住民側の環境認知を評価する質問紙としては,Abbreviated Neighborhood Environment Walkability Scale(ANEWS)日本語版を作成し,国際比較も可能とした。 住民の日常身体活動量は加速度計,歩数計等を用いた客観的な測定と,身体活動量調査票(International Physical Activity Questionnaire)による方法を用いて,その妥当性を検討した。 文化的,社会的背景の異なる国内地域として,都心部1ケ所,地方都市2ケ所において,身体活動を推進する物理的環境要因について検討した。居住地域環境と身体活動との関連は,地域や性別による違いがみられた。住民の身体活動を推進する都市基盤整備には,地域の特性を活かした進め方が必要と考えられた。 個人の行動パターンを時間,位置,身体活動レベルの3つの側面から関連づけて分析するために,小型GPS(汎地球測位システム)と加速度計を同時に装着し,2つのデータを統合した。今後はこのシステムを利用することで都市の土地利用分類ごとの身体活動パターンの特徴を明らかにし,健康増進につながる都市空間創造の基礎データを蓄積することが可能になる。
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