2007 Fiscal Year Annual Research Report
木造建造物文化財の為の木材及び植物性資材確保に関する研究
Project/Area Number |
17200051
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70174810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 徹朗 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (10101247)
清水 真一 東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, センター長 (70359446)
後藤 治 工学院大学, 工学部, 教授 (50317343)
古賀 信也 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (20215213)
門松 昌彦 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60158847)
|
Keywords | 木造建造物文化財 / 森林資源 / 天然ヒノキ / 木材流通 / 解体修理 / 長尺大径材 / 天然更新 / 木材劣化 |
Research Abstract |
この研究は森林科学と文化財保存学にまたがる学際的な研究である。調査は需要サイドである文化財建造物からのアプローチと供給サイドである森林からのアブローチの両面からおこなった。 1)文化財修理用資材の品質に関する調査として,木材の形質および樹種を評価するための調査を和歌山県海南市の福勝寺,埼玉県朝霞市の旧高橋家,山口市龍福寺,取手市東漸寺の解体修理現場において実施した。 2)上記,調査によって採集した部材をもとに古材の劣化調査および樹種の鑑定を行った。 3)文化財に使用されている長尺大径材の実態を把握するため中世以降の城郭および民家を対象に文献調査を行った。 4)修理用資材の供給可能量に関する調査として,吉野地域における人工林大径材の流通に関する調査を行った。 5)大径材の製材に際し,切断面の柾目,板目などの節の出かたを調査するため,名古屋市内の製材所において樹齢300年,末口径62cmの木曽ヒノキの製材実験を行った。 6)供給量の逼迫が懸念される天然ヒノキに焦点をしぼり,長野県において現地森林調査を実施して大径樹の立地条件を解析した。また,赤沢自然休養林内の天然林6haの樹木位置図を作成し,天然更新の条件を解析した。また,ヒノキ天然木65本の上部直径を測定し,相対幹曲線を作成し,ヒノキの品質評価を行った。 8)森林所有者と文化財所有者を結ぶ情報交換の手段として,インターネット上のウェブサイトを立ち上げた。 9)修理用資材を安定的に供給するため,大学演習林において備林の調査と設定を行った 10)檜皮の剥皮に伴う,ヒノキ立木への影響を評価するため,4カ所の大学演習林において実験木24本を伐採した。 11)キャンパスプラザ京都において科研成果報告会「木の文化を支える森林」を開催した。
|
Research Products
(5 results)