2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ・ハロゲンフローを適正化するエネルギー回収型PVC・廃ガラス同時処理技術
Project/Area Number |
17201017
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
堀尾 正靭 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40109301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 玲治 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70303708)
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Keywords | PVC / ガラス / 中和反応 / 物質循環 / 廃棄物 |
Research Abstract |
昨年度までに取得した反応速度等のデータより、本中和プロセスにおいては、反応温度550℃が適当であることが明らかになった。550℃より高温だと、ガラスの軟化(軟化点:600℃、TMA測定より)がおこり、流動層・移動層二段プロセスである本プロセスのハンドリング性に支障をきたす。また、550℃より低温だと反応率の低下がおこることが推測できる。したがって、中和炉の温度を常に一定に保つため、正確な熱収支のためにガラスと塩化水素の反応熱を測定することが必要となる。 しかし、反応熱測定に一般的に用いられるRC1、SuperCRCでは、測定温度が最大で200℃前後までと低いため、本プロセスでの反応熱測定には適さない。また、物質の熱分析装置であるDSC、ARCは試料容器が金属であるため、金属腐食性のある塩化水素を用いることができない。 したがって、DSCに塩化水素用ガス配管を外付けし、試料容器に石英管を用いた密閉式ガス連続供給型のCCCF-DSC(Contact Controlled Closed flow DSC for corrosive/toxic gas-solid reaction)を開発した。DSCセンサー部の保護と測定値のばらつきを防ぐために、石英管とDSCセンサー部の圧着力の制御を可能にした。このCCCF-DSCを用いて測定を行った結果、ガラスと塩化水素の反応熱は320.9kJ/molであった。これはガラス原料として用いられている酸化ナトリウムと塩化水素の標準反応エンタルピーの約70%であった。この反応熱の値を用いて添加剤含有率の高い廃PVCである壁紙を本プロセスで処理した場合のプロセス計算を行った結果、本プロセスの効率は77.7%であった。
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Research Products
(1 results)