2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロLC/MSによる環境・廃棄物試料のグリーンケミストリ分析技術の開発
Project/Area Number |
17201020
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
鈴木 茂 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00343757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 康行 独立行政法人・国立環境研究所, 化学環境研究領域, 領域長 (80154251)
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Keywords | マイクロLC / MS / 環境化学物質 / グリーンケミストリ分析 / 検出器開発 / 試料導入方法 / 疎水性成分 |
Research Abstract |
マイクロフローLC/MSレベルでの環境分析技術の開発と,主に次年度の研究テーマとなる,ナノLC/MSレベルの環境分析技術およびグリーケミストリ技術への展開を視野に入れ,以下の基礎検討を進めた。 1.マイクロフローLC/MSに用いる疎水性試料導入技術の開発 疎水性が高い成分の試料をマイクロフローLC/MSに導入し高分離のクロマトグラムを得る方法として,マイクロループによる方法,動的希釈による方法について研究を進めた。マイクロループによる方法は,有機溶媒濃度が7%以下の試料で,高分離のクロマトグラムを得る方法を開発した。100%有機溶媒の試料導入方法として動的希釈法を検討した。導入装置,ミキシング方法,移動相モディファイヤーの検討を進め,μLレベルの試料導入量で良好なクロマトグラムが得られ,現在大容量の試料導入の検討を進めている。 2.マイクロフローLC/MSによる多様な物性の成分の一斉分析方法の開発 logPowが6を超える疎水性化学物質として臭素化難燃剤5種の一斉分析法として,内標準法を用い,試料の有機溶媒濃度を60%以上とすることで6%程度の標準偏差での定量分析する方法を開発した。 3.マイクロフローLC/MSに用いる高エネルギーイオン化法の開発 スプレーグロー放電イオン化をマイクロフローLC/MSに適用するため,種々の構造の装置を試作し,励起アルゴンとともにプロトン化した水を多量に発生させるイオン化法を開発した。このイオン化法で,nL/minの移動相流量での高感度分析を示唆する結果を得た。 4.マイクロフローLC/MSからナノフローLC/MSへの展開における課題抽出 これまでの研究からナノフローLC/MSに向けた主要な基礎技術の課題は,微少流量での動的希釈方法,グラジエント法の開発と考えられる。また,これらの技術開発を進める上でリークフリーチュービングなどの分析システム上の開発が重要と考えられた。
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