2005 Fiscal Year Annual Research Report
球面収差補正電子レンズを用いたナノ材料の構造と電子状態ゆらぎの研究
Project/Area Number |
17201022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 晃 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 講師 (50292280)
山崎 順 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助手 (40335071)
趙 星彪 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 研究員
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Keywords | 球面収差補正 / ナノ電子回折 / ナノEELS / 半導体界面 |
Research Abstract |
本研究では、世界に先駆けて実用化した電子レンズの球面収差補正技術を用いて新しいナノ材料局所計測法を確立することと、その方法のナノ材料のゆらぎの研究への展開を目標にして初年度目の研究を行なった。このレンズ球面収差補正技術によって、(1)200kV加速電圧の電子顕微鏡装置でも0.1nm以下の原子配列の像が得られ、ゆらぎの一形態である半導体中の不純物原子や点欠陥集合体の分布状態なども1/60秒の時間分解能で動的に直視できるようになった。また(2)従来の収束電子回折では、ビームに収束角があるため、完全結晶に関する局所局所の情報はとれても、ゆらぎに起因する散漫散乱を精度よく測定できなかったが、今回、上記の球面収差補正技術を使って、場所も5nm以下の局所に限定し、かつ10^<-4>ラジアン程度の極めて高い平行度の電子ビームによる高角度分解能のナノ電子回折法が世界で初めてできるようになった。この新技法を駆使し、蒸着法で作られたシリコン半導体中の面欠陥の構造解析や次世代半導体デバイスの基本素子となる量子ドット内の局所構造と光放出特性との関係の研究、La_2O_3など新材料の酸化膜とシリコンの界面の研究を行なった。今後はこのナノ電子回折法と電子エネルギー損失分光法を組み合わせ、もう一つの研究目標である電子状態のゆらぎの研究を行なっていく予定である。
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Research Products
(4 results)