2005 Fiscal Year Annual Research Report
単一原子の個数と位置が制御された新しい半導体の創製とその応用
Project/Area Number |
17201026
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 佳治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60287985)
品田 賢宏 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (30329099)
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Keywords | シングルイオン注入法 / 半導体 / 不純物原子 / 半導体デバイス / MOSFET / 閾値電圧 |
Research Abstract |
(1)荷電粒子軌道シミュレーションを用いて、シングルイオン注入用集束イオンビーム光学系を最適化し、改造に着手。まず、対物レンズの形状を従来の非対称アインツェル型から対称型に変更、3枚レンズ電極位置を4.5mm下げ、試料面とレンズ下面間距離を15mmとし、約1.3倍レンズ倍率を向上。また、エミッターと静電レンズ間距離を短縮し、イオン電流を確保しやすいエミッター構造とした他、光軸調整を制限している固定アパチャー数を削減し、軸調整の自由度を大幅に改善。その結果、従来20nmに止まっていたビーム径を10nmに改善する見通しを得て現在評価中。半導体中に10〜100nmの間隔で配列した不純物原子をいかに検出し、評価するか新たな研究課題も生ず。(2)従来2次電子検出法により90%に止まっているシングルイオン入射検出率を100%に改善するために、まず対向2箇所に設置されている2次電子検出器の増設を検討。その結果、2次電子放出率が低く、検出器自身が有するノイズに埋もれ、寧ろノイズが積算され検出率の低下が判明し、電流変化検出型の新シングルイオン入射検出システムの開発に着手。具体的には、真空チャンバー内部に電気配線を施し、シングルイオン入射中に抵抗体の電気的特性をリアルタイムで取得可能なシステムを構築。数μAの電流が流れるオン状態にある抵抗体にシングルイオンが入射すると、シングルイオンが形成する欠陥クラスターにより抵抗体の電流が数nA減少すること、当該手法の有効性を確認。(3)従来の照準精度で、半導体中に不純物原子を100nm間隔で規則的に配列。ランダムな不純物配置を有する半導体と比較し、閾値電圧のゆらぎが抑制され、約0.2V低下する現象を発見し、2005年10月英科学誌natureに発表。上記改造を実現し、不純物原子がより高精細に配列した半導体創製を目指す。
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Research Products
(22 results)