2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17201040
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小笠原 直毅 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10110553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 周 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30359872)
七宮 英晃 立教大学, 理学部, 助手 (50366944)
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Keywords | 蛋白質 / ゲノム / 細菌 / GTP結合蛋白質 / 枯草菌 / リボゾーム |
Research Abstract |
枯草菌では、LB培地・37度という培養条件で、その破壊が致死となる必須遺伝子は271であるということが明らかとなった。その内、現時点で機能が不明確なものは22遺伝子である。驚くべきことに、その中の8遺伝子は、分子スイッチとして働くと考えられるGTP結合蛋白質をコードしている。枯草菌ゲノムには17種のGTP結合蛋白質がコードされているが、翻訳因子・分泌シグナル認識因子を除く、12種のものについてはその機能が未だ不明である。本研究では、それらのGTPase活性を調節する蛋白質あるいはRNAなどの因子、あるいは、effectorとして働く蛋白質の同定を行うことにより、機能未知GTP結合蛋白質の機能に迫ることを目的とした。 平成17年度の研究では、機能未知である必須GTP結合蛋白質の一つ、YlqF、について、機能の解明を行うことができた。すなわち、1)YlqFはGTPの非加水分解類似物(GTPgs)の存在下でのみ、遊離した50Sサブユニットに結合すること、2)そのGTP加水分解活性は、成熟した50Sサブユニットによって活性化されること、3)YlqFは、50sサブユニットのAサイトとPサイトの周辺に結合すること、4)YlqFを枯渇させた枯草菌細胞内では、YlqFの結合領域に存在するリボソームタンパク質L16およびL27を失っている未成熟な50Sサブユニットが蓄積されることを明らかにした。これらの結果は、未成熟の50Sサブユニットに取り込まれ、L16とL27の取り込みに関与しており、成熟50Sサブユニットの形成に伴い、GTPase活性が活性化され、遊離することを示している。 この研究成果は、Era/Obgスーパーファミリーに属するGTP結合蛋白質のリボゾーム合成における、分子機能を明快に示した最初のものである。
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Research Products
(1 results)