2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌プロテオームチップによる大規模タンパク質間相互作用解析
Project/Area Number |
17201042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
土居 信英 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50327673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 弘志 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40327672)
森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (90182203)
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Keywords | プロテオーム / マイロクアレイ / 微生物ゲノム / 蛍光ラベル化法 / タンパク質間相互作用 / 遺伝子ネットワーク / バイオインフォマティクス / 大腸菌 |
Research Abstract |
前年度に、大腸菌ASKAライブラリーから発現した約4400種類のタンパク質を固定化したプロテオームチップに対して、96種類のC末端ラベル化タンパク質を反応させて得られた1014相互作用について、タンパク質問相互作用データの信頼性解析を行った。得られた相互作用ネットワークの各ノードのリンク数とその頻度の割合をプロットしたところ、ベキ乗則に従うスケールフリーネットワークであることが分かった。このことから今回得られた相互作用はランダムではなく、生物学的に有意であることが示唆された。偽陽性の割合を調べるために、いくつかの候補タンパク質を選んで、プルダウンアッセイによる検証を行った結果、約50%の相互作用について再現性が得られた。さらに、偽陰性について評価するために、今回用いた96種類の蛍光ラベル化タンパク質について既知の相互作用が検出されているかを調べたところ、カバー率は約25%であり、検出されなかったタンパク質は、発現量および固定化量が少ないことが原因と考えられた。 タンパク質の発現量を増やすために、これまでのASKAライブラリーのGFP融合タンパク質からGST融合タンパク質として発現するベクターへのサブクローニングを行った。一部の遺伝子について、GSTをN末またはC末に融合する組み換え遺伝子を作成し、大腸菌での発現量を比較した結果、大部分の遺伝子でN末にGSTを融合した場合に発現量の上昇が確認できた。今後は、約4400個すべての遺伝子を組み換えて大量発現し、タンパク質の固定化量を増やしたプロテオームチップを作成することで、さらに信頼性の高いデータを得ることが期待できる。 また、本研究で作成した世界初の大腸菌プロテオームチップを用いて、タンパク質と低分子化合物との相互作用や酵素活性などのタンパク質機能解析に応用可能かどうかについても検討した。蛍光標識ATPをプロテオームチップに反応させた結果、約30種類の新規ATP結合タンパク質の候補が得られた。
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Research Products
(6 results)