2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーによる新しい細胞内DNAの構造機能解析法の開拓
Project/Area Number |
17201043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 弘 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (50183843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 俊和 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20345284)
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Keywords | 構造解析 / 光反応 / 修飾塩某 / Z型DNA / DNA四重鎖 |
Research Abstract |
ケミカルバイオロジーによるDNAの機能と構造解析法の研究の進展によって、以下に示すDNAの局所構造に関する新たな解明に成功した。特に、8-プロモグアニン(8-BrG)や5-ハロウラシル(XU)のような機能性DNA塩基は、DNAオリゴマー中に配列選択的に導入する事で、効果的なDNA構造解析用プローブと働いた。 8-BrGを含むDNAオリゴマーを用いたヒトテロメアG-カルテット構造解析 3'側に伸びた1本鎖領域は中心金属を配位して4本鎖構造をとっていることが示唆されており、この四本鎖構造を安定化することによってテロメラーゼ活性が阻害されることが示されている。ヒトテロメア配列を含む22量体(5'-AGGG(TTAGGG)3-3')は、Na+が存在する溶液中ではBasket構造を、K+が存在する結晶構造ではParallel構造をとることが報告されたが、K+が多く存在する溶液中の構造は不明であった。我々は、グアニン残基に8-BrGをシステマティツクに導入し、Synコンフォメーションを安定化四本鎖構造がMixed-Chair構造であることを世界に先駆けて明らかにした。この構造をもとにして我々はキラルヘリセンが四本鎖DNAに特異的に結合することを見いだし、これに強いテロメラーゼ阻害活性を示すことを発見した。このような、テロメア1本鎖領域を標的とする化合物により、テロメア短小化を劇的に誘導できることが期待される。 光反応性の高いハロウラシルを活用するDNA-タンパク機能解析 XUを導入したDNAオリゴマーに対する光反応について解析を進めた結果、配列特異的なDNA結合性タンパク、Sso 7dからの効率的な電子移動反応が起きていることを確認した。細胞内DNA中のチミンはXUに置き変えることが可能であるので、将来的には細胞内DNAでの応用を目指している。
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Research Products
(7 results)