2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17201046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 忠行 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90156448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙石 学 西南学院大学, 法学部, 教授 (30289508)
松里 公孝 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20240640)
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10183071)
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
上野 俊彦 上智大学, 外国語学部, 教授 (80327866)
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Keywords | ロシア / 東欧 / 中央ユーラシア / 体制転換 / 比較政治 / 比較経済 |
Research Abstract |
このプロジェクトでは、平成17年7月16〜17日に札幌で、平成18年1月28〜29日に大阪で研究会を開催した。7月研究会ではロシアと中央ユーラシア、1月研究会では東中欧と中央ユーラシアに焦点を当てた比較研究を行った。本プロジェクトの前提として、いくつかの下位地域の中での比較研究を試み、その上で地域間比較を行うということになっているが、その作業の中では中央ユーラシアと東中欧地域での作業が先行していることになる。後者のとくに政治については、内外での先行研究の蓄積が厚く、またデータも集めやすいという環境にあるため、かなり絞り込んだ議論が可能になっている。ここでは、とくに「欧州化」という概念を鍵に、地方政治、環境政策、ジェンダーにかかわる政治などでの比較分析が試みられ、「欧州化」が各国政治の変化に「触媒」として働いているが、同時に各国政治の共産党時代からの「経路依存」も強く働いていて、それが制度や政策の決定要因となっているという指摘が行われた。他方、中央ユーラシアの政治比較は、情報量の不足などから、東欧とは同じレベルでの分析は可能ではないが、むしろ「民主化」というようなもう少し高次な比較の枠組みを使いながら、比較を進める必要があることが確認された。本プロジェクトによって、旧ソ連地域で起きた最近のウクライナ、グルジア、クルグズスタンでの「革命」についての比較の試みが、日本国際政治学会の部会でなされたのも重要な成果であった。経済については、ロシアの経済転換の過程で欧米のグローバル・リベラリズムにたつ経済専門家たちがどのような役割を演じたのかという問題が提示されたが、これも比較の視点として重要な成果であった。
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Research Products
(20 results)