2007 Fiscal Year Annual Research Report
アブラハム的伝統の臨界:三大一神教の哲学、神学・政治論とその外部の地域文化研究
Project/Area Number |
17201047
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大貫 隆 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138818)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 東子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40177829)
黒住 眞 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00153411)
杉田 英明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90179143)
増田 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70209435)
村田 雄二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70190923)
|
Keywords | 無神論 / 臨界 / 一神教 / 汎神論 / 汎在神論 / 妬み |
Research Abstract |
第3年目に当たる平成19年度は、3回の共同討議の会合を設け、3人の研究分担者が全体の研究課題に沿って行っている研究を報告し、出席した他の研究分担者を含めて意見と情報の交換を行った。 (1)2007年5月25日(金)。研究報告は安岡治子による「シンフォニック・リーチノスチ-ユーラシア主義に見られる全一的理想社会の探求」。主としてドストエフスキーを取り上げて、ロシア正教の伝統における汎神論と汎在神論の関係、および両者と理想社会論との関係について議論した。 (2)2007年9月28日(金)。研究報告は杉田英明による「仏教説話の東西伝播『二鼠譬喩譚』を中心に」。『二鼠譬喩譚』は、底に毒蛇が口を開けて待ち構える深い穴に落ちかけながら、穴の淵にある2本の木の枝にかろうじて捕まって身体を宙に浮かせている男の図柄で表現される物語で、古今東西に広く伝播している。この説話の起源(インド)および中国、日本、中東イスラム世界、ヨーロッパ・キリスト教世界への伝播の過程とそれぞれの文化圏での本文、さらに近現代の文学への応用についての報告にもとづいて議論した。 (3)2008年2月22日(金)。研究報告は安西信一による「黙示録的想像力と原爆-J・シャピロ『原爆映画』をめぐって」。安西信一が現在翻訳中のJ.F.Shapiro,Atomic Bomb Cinema.The Apocalyptic Imagination on Film,NY,2002に基づいて、原爆実験と実際に今後ありうべき投下による世界の破滅と「残りの者」によるその再生という基本パターンを持つ一連の映画(原爆映画)を時系列で整理した上で、その変容が持つ意義を現代史との関係で議論した。
|
Research Products
(13 results)