2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202005
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
松原 茂 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (50000352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若杉 準治 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 学芸課, 列品管理室長 (20150039)
村重 寧 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40000319)
澤田 むつ代 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (40215918)
神庭 信幸 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 保存修復課長 (50169801)
三浦 定俊 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 協力調査官 (50099925)
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Keywords | 聖徳太子絵伝 / 法隆寺献納宝物 / 絵絹 / 高精細画像 / 蛍光画像 |
Research Abstract |
本年度は、法隆寺献納宝物「聖徳太子絵伝」全10面のうち、主に第1面と第2面について調査を行った。高精細デジタルカメラとキセノン光源の機種選定および納入が遅れたため、科学的調査が予定通り行えなかったが、今後それらを効果的に行うため、肉眼による詳細な調査を、分担者を集めて3度(東京国立博物館法隆寺献納宝物特別調査1回を含む)入念に行い、問題点を抽出するとともに方針を再構築した。合わせて、画面各所に書き込まれた銘文の翻刻と出典との異同の確認、図様の場面比定を過去の研究を検証しながら行った。また、昭和40年代の修理時に撮影したX線フィルム(東京文化財研究所蔵)206枚をスキャニングし、DVD7枚に収録した。これは下地からはずした状態で撮ったもので、現在では撮影不可能な画像である。 過去の複数回の修理による補絹は予想以上に複雑で、今後の調査の困難が予想されるが、江戸時代以降の修理状況を図様の上から判断するために、天明6〜7年(1785から86)に描かれ、現在も法隆寺東院絵殿にはめ込まれている吉村宗圭の筆になる模本を、分担者とともに全10面にわたって調査した。 また、第3回の調査においては、実際に昭和40年代の修理に携わった岡墨光堂社長の岡岩太郎氏の参加を依頼し、裏打ちを剥がした画面の裏の状態など、修理時の状況を聞き取り調査した。
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