2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田口 紀子 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (60201604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 一義 京都大学, 文学研究科, 教授 (30119870)
増田 真 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10238909)
永盛 克也 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10324716)
稲垣 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20151574)
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Keywords | フランス文学 / 生成研究 / 草稿研究 / プルースト / フロベール / ロマン主義 |
Research Abstract |
平成20年7月12日に定例研究会を開催し、井上櫻子氏「『新エロイーズ』における田園詩的主題とその変奏-サン=プルーの欲望とその抑圧の問題を中心に」と小黒昌文氏「プルーストと写真芸術-世紀転換期の視覚文化をめぐって」の2件の研究発表に基づいて、作家にその時代の文化的状況が及ぼす影響とその影響の作品への反映について、班員による活発な意見交換を行った。 その後は研究会は開かず、平成19年12月に開催した国際シンポジウム『文学作品はいかにして生まれるか?』の成果のフランスでの出版のため、原稿のとりまとめや図版の収集などを行った。原稿と図版は現在すべて整い、目下フランスのChampion社と出版交渉を行っている。予定通り進めば、Comment nait une oeuvre litteraire?-Brouillons, contextes culturels, evolutions thematiques-のタイトルで2010年には刊行される見通しである。 さらに本共同研究の知見を核として、生成研究をテーマとした日本語の学術書の編纂を企画した。科研のメンバーに加えて数人の専門家に機構を依頼し、15世紀から現代までフランス文学の主要な作家をカバーする、世界でも類を見ない総合的生成論となる。読者としてはフランス文学の専門家のみならず、隣接分野の研究者、大学院生、また文学に興味を持つ学部学生もターゲットに入れており、これらの読者層に学問全体のパースペクティヴと先端の研究成果を提供することができるものと考えている。現在ほとんど原稿は集まっており、これも計画では『文学作品が生まれるとき(仮題)』として、京都大学学術出版会から2009年度中には刊行の予定である。
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Research Products
(5 results)