2005 Fiscal Year Annual Research Report
多言語社会における文学の歴史的展開と現在:インド文学を事例として
Project/Area Number |
17202009
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
水野 善文 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80200020)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 貞二 拓殖大学, 商学部, 教授 (80109751)
臼田 雅之 東海大学, 文学部, 教授 (60151867)
徳永 宗雄 京都大学, 大学院文学研究科, 教授 (70143998)
石田 英明 大東文化大学, 国際関係学部, 助教授 (80255976)
高橋 孝信 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10236292)
|
Keywords | 南アジア文学史 / 歴史と文学 / 文学理論 / 文学的環境 / 文学の享受者 / 歴史資料 / 口頭伝承 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本共同研究遂行の初年度は、それまでの予備的研究会でおぼろげながらも提示されていた問題意識を、明確な形で共有することをまず主眼に置き、下記のように研究会を開催した。<国内旅費、会議費、その他> 1.2005年6月25日(土)東京外国語大学にて(参加者数:代表・分担者13名、協力者15名) 2.2005年12月3日(土)大阪外国語大学にて(参加者数:代表・分担者12名、協力者14名、院生10数名) そのほかに、国内の学会で、次のような分科会およびシンポジウムも開催した。 1.2005年10月2日(日)京都・龍谷大学における日本南アジア学会第18回全国大会における分科会「南アジア研究へ-文学からの問いかけ」:本研究の分担者9名が、司会、パネリスト、ディスカッサントとなり、広く他のディシプリン、取り分け歴史学の見地から、文学研究がもたらしうる学問的貢献について討論した。 2.2005年11月20日(日)東京外国語大学にて、シンポジウム「古代インド叙事詩は時間と空間を越えて-アニメ映画ラーマーヤナをめぐって」:研究代表者および分担者各一名のほか、映画製作当事者も参加し、現代に生きる表象文化としてのインド文学について議論した。 参画する研究者の所属する研究機関のいずれにも所蔵されていないインド文学関連の書籍を購入<備品費>するとともに、4人の研究分担者がインドならびにパキスタンに出向き<国外旅費>、資料収集をおこなった。 研究代表者と一人の分担者が、アメリカの二研究機関を訪問し、それぞれ、分野を同じくする専門研究者との意見交換をおこなった。 以上のような研究活動をとおして、とかく「史書なきインド」といわれ歴史資料の欠如が嘆かれるインドにあって、これまでそうではないとされてきた文学文献を、視点を変えて考察しなおせば歴史資料としての価値も充分期待できるし、文献伝承のみならず口頭でも伝承された文学作品の足跡をたどる努力をすれば、これまで解明されなかったあらたな南アジア文化の広域的な動向を明らかにすることが出来るという感触を得ることができた。
|
Research Products
(5 results)