2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロソディーの構造と文法性、文理解に関する総合的研究
Project/Area Number |
17202010
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪薗 晴夫 神戸大学, 文学部, 教授 (80153328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 京都大学, 文学研究科, 教授 (10154957)
郡司 隆男 神戸松蔭女子学院大学, 文学部, 教授 (10158892)
坂本 勉 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (10215650)
久保 智之 九州大学, 人文科学研究院, 助教授 (30214993)
広瀬 友紀 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (50322095)
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Keywords | プロソディー / 文法性 / 文理解 / 日本語 / 情報構造 / 統語構造 / 意味構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は「プロソディーの構造」、「文法性の判断」、「文理解のメカニズム」の3つを主たる研究対象として、これらの事象がお互いどのように関係しているのかを明らかにすることである。今年度は次のテーマについてメンバーごとに研究を進めた。 1.フォーカス(焦点)がイントネーション構造にどのような影響を及ぼすか調べるために、Wh文を使った音響実験を行った。先行研究の主張とは異なり、語彙的なフォーカスはダウンステップを阻止せず、ピッチのリセットを引き起こさないことを明らかにした。 2.フォーカスがモーダルのスコープとどのような関係を持ちそれがイントネーション構造にどのような影響を及ぼすかを、証拠性モーダルのスコープと認識モーダルについて調べた。 3.いわゆる否定極性表現の関東方言と関西方言のアクセントの差、特に、平板化の有無、アクセントの復帰の位置などについて予備的な調査および考察を行った。 4.文理解と韻律情報の関係を調べるために,関係節を含む文のF0やポーズを調整した刺激を用いた実験を行った。F0の情報は文理解を促進するが、F0の情報に重畳してポーズの情報が加わると文理解において処理の困難さが生じることが明らかになった。 5.福岡方言と釜山方言の疑問詞疑問文、特に多重疑問文について、音調と統語構造の関係を見た。両言語では、疑問詞からQまでが一つの音韻句になる。多重疑問文の場合、疑問詞と疑問詞の間に、統語構造を参照しつつ、音韻句境界が現われることがわかった。 6.視覚情報と韻律情報の関係を発話・知覚両面から調べた。統語構造の区別に寄与しうる韻律情報の現れ方は、発話時の視覚的情報のタイプにより量的かつ質的に異なることが示唆された。 以上の結果を公開ワークショップ(12月17-18日)において発表し、あわせて今後の研究課題について検討した。
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Research Products
(6 results)