2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17202014
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
南塚 信吾 法政大学, 国際文化学部, 教授 (50055315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下斗米 伸夫 法政大学, 法学部, 教授 (80112986)
加納 格 法政大学, 文学部, 教授 (80204593)
伊集院 立 法政大学, 社会学部, 教授 (30091854)
今泉 裕美子 法政大学, 国際文化学部, 助教授 (30266275)
佐々木 直美 法政大学, 法学部, 助教授 (90328914)
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Keywords | 世界史 / 1980年代 / 社会主義 / イスラーム / ネオ・リベラル / ポストモダン / 中央アジア / ペレストロイカ |
Research Abstract |
本研究は、1980年代の世界史を、いわば輪切りにして同時代史的に分析し、それをひとつの有機的に繋がる世界史として認識する視座と方法を探り出すことを目的とする。本年度は、7月22日、9月30日、11月18日、12月22日、1月15日、2月19日に、研究会を開催した。そのうち、1月15日の研究会は、在日中のオーストリア人歴史家による講演会、2月19日は、ロシアから招いた歴史家を交えた研究会であった。今年度の研究会では、中央アジア諸国の1980年代の動き、レバノンを中心とする中東の下層社会の特質、ドイツの80年代農業の変遷、フランスの「1968年世代」の80年代への影響、ロシアのペレストロイカなどの地域個別の動きのほか、1980年代のネオ・リベラルの分析、80年代の歴史学の分析など、時代全体を見通した研究も進められた。また、この間に、アフリカ、ロシア、ドイツ、イタリア、メキシコ、アメリカ、レバノンなどへの調査旅行を行った。 この間の研究によって、1980年代は、1979年ごろから1992年ごろまでをカバーする、いわば「長い1980年代」として考えるべきこと、1979年の中越戦争、ソ連によるアフガン侵略、そしてイラン革命が重要な転機を画したこと、中東のイスラームの動きとソ連をはじめとする社会主義世界の崩壊とが一定の関係があったのではないかということが、しだいに確認されてきている。さらに、1980年代は、より構造的には、1970年代中ごろの「石油危機」以来の世界的経済変動のなかに認識すべきことも、指摘されてきた。そういうなかで、グローバリゼーションを進めるイデオロギーとしてのネオ・リベラルや、ポストモダンの歴史学が位置づけられなければならないことが、確認されてきた。
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Research Products
(9 results)