2006 Fiscal Year Annual Research Report
介入的自由主義と管理型市場経済の生成に関する国際比較研究-戦間期から戦後へ-
Project/Area Number |
17203027
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
雨宮 昭彦 首都大学東京, 大学院社会科学研究科, 教授 (60202701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 治 明治大学, 政治経済学部, 教授 (00062159)
山崎 志郎 首都大学東京, 大学院社会科学研究科, 教授 (10202376)
矢後 和彦 首都大学東京, 大学院社会科学研究科, 教授 (30242134)
三ツ石 郁夫 滋賀大学, 経済学部, 教授 (50174066)
田野 慶子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (60192639)
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Keywords | 取引費用 / インセンティヴ / 経済的自由主義 / 固定価格契約とコスト付加契約 / リスク管理 / エネルギー産業法 / 不完全競争 / 自然独占 |
Research Abstract |
第一に、海外研究協力者ヨッヘン・シュトレープ氏(ドイツ・ホーエンハイム大学教授Prof.Dr.Jochen Streb, Univetsitat Hohenheim)を2006年10月にわが国に招聘し、東京および京都で研究会を開催するとともに、研究成果の出版についても打ち合わせを行った。その成果の一部を次のように公表した。J.Streb (J.シュトレープ)、雨宮、三ツ石他訳、「インセンティヴ対取引費用:第三帝国における建設業規制」(Research Paper Series No.11. Department of Business Administration, Graduate School of Social Sciences, Tokyo Metropolitan University)。ナチス経済の自由主義的側面を政府と企業の契約締結過程の分析を通じて実証するその研究は、本研究プロジェクトに大きな意義を有する。 第二に、中間報告として企画した政治経済学・経済史学会秋季学術大会におけるパネル・ディスカッションを、柳澤、山崎、田野の3本の報告、雨宮の司会の構成で実施し、70名以上の参加者をえて成功を収めた。従来、経済的自由主義とは無縁な経済体制と位置づけられてきた1930年代と戦時期のドイツと日本をとりあげ、日本については、経済総動員のリスク管理の視点から金融市場の機能変化を、ドイツについては、戦後への連続性の視点から公益産業である電力業め市場規制の意味を解明した。これらの研究によって、国家による統制計画化という資本主義の「例外状態」のなかで、市場メカニズムや経済的自由主義が戦後へと進化していく重要な過程が明らかにされた。
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Research Products
(7 results)