2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17203031
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
友杉 芳正 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60085074)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 倫生 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60114948)
木村 彰吾 名古屋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10225039)
野口 晃弘 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90208314)
田中 弘 神奈川大学, 経済学部, 教授 (10064875)
徳賀 芳弘 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70163970)
|
Keywords | 財務情報 / 信頼性 / 表現の忠実性 / 収益費用観 / 資産負債観 / 資金観 / 利益の質 / 監査の質 |
Research Abstract |
昨今の企業不祥事の多発により、会計・監査に対する社会的信頼性が揺らぎ始めているため、財務情報の信頼性の関係把握から「利益の質」と「監査の質」を検証する必要がある。(1)財務情報の信頼性の構造および会計上の測定・伝達における信頼性について、IASB、FASB、日本およびIASB・FASB合同プロジェクトの各概念フレームワークを取り上げ、IASB・FASB合同プロジェクトにおける「信頼性」に代わる「表現の忠実性」という用語、各質的特性の諸関係と適用プロセスに関するフローチャートの内容を検討した。(2)信頼性概念には、組織または人の行動、会計システム、アウトプットとしての財務情報に対する種々の信頼性があり、レベルの特定化と正確な位置づけが必要であることを指摘した。(3)信頼性確保のためには、認識・測定レベルにおける測定者と測定のバイアス、伝達レベルにおける伝達者と伝達のバイアスを除去する必要があり、会計監査、内部統制、情報開示制度によって改善が可能であることを指摘した。(4)財務情報の現状と信頼性に関して、企業活動の実態を公正に反映する基準作りを行う基準設定主体の独立性が財務情報の信頼性を増す一方、現在価値測定の対象領域の増加や算定方法の複雑化が、経営者の合理的判断の選択に幅をもたらし、不正・誤謬の誘因となることを指摘した。(5)公正価値評価に関しては、その他包括利益項目の開示が財務情報の信頼性を確保するために有意義であることを説明し、決算会計から情報会計へと変遷する中で、会計観としての「収益費用観」と「資産負債観」の他に「資金観」の長短を検討し、各会計観の関係からキャッシュ・フロー計算書の位置づけを検討した。
|
Research Products
(20 results)