2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代人の価値意識と宗教意識の国際比較研究-脱欧入亜の視点から
Project/Area Number |
17203036
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
大村 英昭 Kwansei Gakuin University, 社会学部, 教授 (30047485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 一史 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90098385)
川端 亮 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00214677)
吉野 諒三 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (60220711)
三木 英 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (60199974)
大岡 頼光 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (80329656)
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Keywords | 宗教意識 / 価値意識 / 国際比較 / 質問紙調査 / フィールド調査 / 火葬化の進展 / ペット・ロス / スピリチュアリティ |
Research Abstract |
研究組織は「質問紙調査(量的調査)班」と「フィールド調査(質的調査)班」からなっている。まず前者のグループは、つぎのような研究を行なった。 (1)人びとのreligiosityと価値観に関する実証的な先行研究の知見・一般化・理論のまとめを行なうとともに、そのような諸命題が導き出されてきた「調査データ」の整理を行なった。(2)religiosityの国際比較調査における方法論的問題、とくに「等価性(equivalence)」に関する問題の整理とその解決のための提案を行なった。(3)2007年3月に日本で実施した全国調査のデータ解析をさまざまな分析手法を用いて行なった。(4)2008年3月にほぼ同じ質問紙を用いてドイツにおいて全国調査を実施し、日本との国際比較の視座に立つデータ解析を行なった。 つぎに後者のグループは、前者のグループとも共有するつぎのようなresearch question(あるいは理論仮説)から出発した。それは同じ「宗教性」といっても、特定(宗派)宗教によって培われるreligiosityと、他方そのような特定宗教にむしろ反感すらもつ「宗教的無党派層」が、それゆえに、かえって熱心に希求するspiritualityとの区別がはっきり出てきたのではないかということと、そのようなspiritualityは洋の東西を問わず、少なくとも「世俗都市」の住人の間ではほとんど差異を見出しがたいまでに似たものになりつつあるのではないかということである。このspiritualityの広がりを検証すべく、フィールド調査班は米国ハワイと西海岸、韓国、タイ、台湾、沖縄、北欧とくにスウェーデンなどにおいて、(1)「火葬化の進展」にともなって人びとは遺骨灰をどう扱っている、(2)「ペット・ロス」に際して人びとはどのような宗教行動をとっているか、に焦点を合わせて「実地観察・聞きとり調査」を行なった。 以上の2つのグループの調査から得られた知見は、なお限定的なものといわなければならないが、それでも上述のresearch question(あるいは理論仮説)はかなりの程度まで妥当性をもつものであることが検証できたと判断できる。
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Research Products
(11 results)