2005 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの発達に応じた創造的ディスカッション技能を育む学習/教育環境作り
Project/Area Number |
17203039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 俊一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30101009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和生 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00281759)
仮屋園 昭彦 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (30274674)
藤田 豊 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60238590)
小林 敬一 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90313923)
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Keywords | 子ども主体の学び合う授業作り / 対話を支えるグランドルール / 学びの協同体作り / ビデオ研修 / 心理的かかわりの距離 / 意味敏感さ |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を実施した。 1)子ども主体の「話し合い/学び合い」を中心とした授業作りを中心に、「話す・きく・絡み合う」ために必要な技能の発達段階モデルを構築し、そのモデルに従った実践を開発/展開する「学びの協同体」ないしは研修のモデル校(筑紫野市立阿志岐小学校)を、実践家と研究者とのコラボレーションによって打ち立てた。 2)子ども主体の対話を中心とした授業作りを求めての、実践家と研究者とのコラボレーションによる「学びの協同体作り」の中では、「対話を支えるグランドルール作り」「対話を引き出すような教材化研究による授業の山場作り」「子どもの創造的思考や考えを引き出す/絡めるための具体的な揺さぶり発問の創出や機能分析」などについて検討をおこなった。 3)「学びの協同体作り」でのビデオ研修を通した授業実践の変化過程を追跡研究し、子ども主体の対話を中心にした授業改善の顕著な教師でそうでない教師との違いの原因は何に帰属しているかを詳細に、質的側面、量的側面から明らかにした。その結果、授業改善に寄与している要因として、「授業観」「教材化分析の緻密さや広がり「対話をささえる日頃の児童と教師との間の人間関係作り」「授業過程での即興的な判断力」「他者や状況に開く心の豊かさと意味敏感さ」「自分についての自己省察能力」「状況との心理的距離の取り方」などを指摘できた。 4)子どもが主体的、創造的に話し合いを中心にした授業を営むことが出来るか否かは、3)に指摘した諸側面を考慮した学習/教育環境を如何に教師が実践していくかに、大きく依存することが判明した。その意味では、対話を中心とした教師の授業実践力を如何に育むかが急務な課題である。
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