2006 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの発達に応じた創造的ディスカッション技能を育む学習/教育環境作り
Project/Area Number |
17203039
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 俊一 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30101009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和生 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00281759)
仮屋園 昭彦 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (30274674)
藤田 豊 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60238590)
小林 敬一 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90313923)
|
Keywords | 子ども主体の学び合う授業創り / "TEACHER"の意味 / 資質 / 談話実践モデルの開発 / 創造的ディスカッション / ビデオ研修 |
Research Abstract |
本年度の主な研究実績は以下の通りである。 1)研究者と実践家のコラボレーションによる「子ども主体の話し合う・学び合う授業」実践を展開/開発している研修のモデル校(筑紫野市立阿志岐小学校、春日市立大谷小学校)を核にして、創造的ディスカッション技能を育む学習/教育環境作りについての、公開授業実践(参加者:180名)や公開研究会(参加者:120名)を福岡県下の小学校教師を対象に行い、現場実践力の向上を図った。 2)子ども主体の対話を中心とした授業作りを求めてのモデル校での研修会は毎週1回(午前中:授業のビデオ撮り:午後はその録画をベースにビデオ研修)のペースで実施した。そこでの研修の内容は、"話し合う・学び合う"授業作りに必須の資質"TEACHER"を育むことである。(TはTacticsの略で、子どもの視点に立脚した教授方略や教材分析/解釈の技量を意味する。EはEmotional monitoring/controlの略で、教師自身の情緒の制御力を高めること。AはAdaptive self-regulationの略で、状況依存的に柔軟にかつ適応的に授業構造を作り替えていく力をつける。CはChild-Teacher Collaborationの略で、子どもと一緒になって授業を創っていくという授業観に変えること。HはHot Cognitionの略で瞬時瞬時の子どもの曖昧な表現の裏に隠されている意味や考えや自分自身の想いを大切にすること。EはEffective Listeningの略で、一人一人の子どもの発言にしっかりと耳を傾け、どの意見を取り上げるべきか効果的に取捨選択する力。RはReflective Thinkingの略で、3つの位相(授業前、授業中、授業後)で自分の行為の意味や意義や子どもたちの状態について、省察する力である)。 3)"TEACHER"のレベルによって、教師の営む談話実践の形態はどのような特徴を示すか、その特徴にはどのような問題が反映されているかを診断、評価できる新たな"談話実践モデル"を開発した。
|