2007 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの発達に応じた創造的ディスカッション技能を育む学習/教育環境作り
Project/Area Number |
17203039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸野 俊一 Kyushu University, 人間環境学研究院, 教授 (30101009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和生 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00281759)
仮屋薗 昭彦 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (30274674)
藤田 豊 熊本大学, 教育学部, 准教授 (60238590)
小林 敬一 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90313923)
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Keywords | DC技能 / 知識伝逹型授業 / 子ども主体の"話し合う・学び合う"授業作り / 学びの共同体作り / 身体化された実践知 / 可視化 |
Research Abstract |
子どもの発達に応じた創造的ディスカッション(DC)技能を育む学習/教育環境作りを次の3つの観点から行った 1)第一は「DC教育」に関する実践をガイドする発達モデルの精緻化と有効性の検証である。筆者らが想定した発達モデルに従ったDC教育を複数の実践教育校の協力を得て、縦断的に実施し、DC教育を展開していく上での各発達段階で育成すべきDCに対する態度、価値、技能が明確になった。 2)第二には「DC教育」と実践技能の開発/支援を図ることである。子どものDCに対する態度、価値、技能を育成するためには、学校での授業実践形態を従来の知識伝達型授業のみだけでなく、状況に応じて"子ども主体の話し合う、学び合う"授業形態を試みることが不可欠であるという信念のもとに、教師の授業実践力の改善を図る"学びの共同体"作りを複数の協力校を中心に展開してきた。同時に年2回の公開研修会("「子ども主体の話し合う、学び合う」授業作りを求めて")をこの3年間の間に継続的に実施した結果、話し合いを中心とした学び合う授業作りが定着し、"考え方を学ぶ、学び方を学ぶ"授業に子ども達が積極的に参加するようになり、主体的に問題解決に取り組むようになると同時にコミュニケーションの仕方や他者への関心や思いやりが育まれるというような結果がみられるようになった。 3)第三には、"「子ども主体の話し合う、学び合う」授業作り"に熟達した実践家の授業分析を3年間に渡り追跡研究する中で、身体化された実践知を可視化することから実践技能を育む教師成長過程のモデルを構築でき、熟達化に向けての新たな教師支援なしは学習環境作りの方策を示すことができた。 4)この第一から第三の知見は、従来の日本の学校教育の中では軽視されていた部分であるだけに、21世紀のコミュニケーションを中心とした学校教育の在り方を模索していく上でのモデルになるものであり極めて重要な意義がある。
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