2005 Fiscal Year Annual Research Report
数理流体力学に現れる解の爆発問題・特異摂動問題の研究
Project/Area Number |
17204008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
大浦 拓哉 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (50324710)
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
松尾 宇泰 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (90293670)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 渦糸 / 水面波 / 分岐理論 / 高速フーリエ変換 / 数値積分 / 差分法 / Proudman-Johnson方程式 |
Research Abstract |
岡本はKim Sun-Chul(韓国、中央大学)と共同である種の楕円型過剰決定系に限られた解しかないことを証明した。中でも、軸対称の場合に解の一意性を証明する際に整関数に関するWiman-Valiron流論を用いた手法は極めて意外性の高い物である。 岡本と大木谷は非線形偏微分方程式の爆発問題においてこれまで見過ごされがちであった移流項が重要な働きをすることを示した。いくつかの具体例を通して、「移流項が爆発を押さえる効果がある」ことを確かめたのである。いくつかの例ではその証明ができたし、証明ができない場合には数値実験を行ったが、数値結果はそういう効果をはっきりと示した。 大浦はフーリエ変換を高速かつ高精度に実行するアルゴリズムを開発した。同様のアルゴリズムはこれまでまったく知られておらず、今後の応用が大いに期待できるアイデアである。 平成18年1月に国際会議「Kyoto Conference on the Navier-Stokes equations and their Applications」を京都大学の21世紀COEプログラムの協力を得て成功裏に終わることができた。ナヴィエ・ストークス方程式の理論と応用に関して最新と成果が報告されるとともに、今後の研究動向を示す重要なサーベイが発表された。海外から44名の参加があり、常時100名程度の参加者によって会場は熱気に包まれていた。いわゆるクレイ研究所の懸賞問題に直結する話題も多かったが、数値計算法の改良など、地味ながら重要な話題にも優れたものがあった。自由境界問題など工学的応用に直結する物もあった。
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Research Products
(7 results)