2006 Fiscal Year Annual Research Report
超高温高圧下でのマントル鉱物の熱膨張率測定によるマントルの断熱温度勾配の見積もり
Project/Area Number |
17204036
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桂 智男 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (40260666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 英司 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 教授 (00033259)
米田 明 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (10262841)
|
Keywords | 熱膨張率 / X線その場回析 / 高温高圧 / ペロブスカイト / ワズレアイト / フォルステライト |
Research Abstract |
高温高圧実験の圧力測定の信頼性の検討を行った。この実験では、試料は、半円盤のMgO焼結体を円筒レニウムヒーターの中にいれ、その残りの半円盤状の空間にダイヤモンドを混合したMgOを詰めた。ダイヤモンドとMgOの体積比は1:1、MgOの粒径は数10μmであり、ダイヤモンドの粒径は数100nmである。試料は、まず19GPa付近まで室温で加圧した。この時点で、ダイヤモンドを混ぜたMgOは純相のMgOより1.2GPa高い圧力を示した。次に200Kステップで加熱した。温度上昇に伴い、両者とも圧力は低下した。また、圧力さも縮まり、1700Kでほぼゼロとなった。この後、室温まで400Kステップで冷却した。温度効果に伴い、両者とも圧力はさらに低下したが、ダイヤモンドを混ぜたMgOの示す圧力は、単相のMgOより相対的に大きく圧力が低下した。室温では、ダイヤモンドを混ぜたMgOの示す圧力は、単相のMgOの示す圧力より1.2GPa低かった。このように、予想された通り、圧力標準物質に他の物質を混合させると正しい圧力値は得られないことが分かった。 この結果を踏まえ、正しい圧力値が得られるような試料デザインを行い、フォルステライト、Mg2SiO4ワズレアイト、MgSiO3ペロフスカイトの温度-圧力-体積データの取得を行った。これらの実験は、主に超硬アンビルを用いて行ったが、超硬アンビルで得られる圧力範囲は、MgSiO3ペロフスカイトの安定領域のごく一部しかカバーできないため、更に高い圧力を発生できる焼結ダイヤモンドを用いた実験を行った。
|