2005 Fiscal Year Annual Research Report
模擬実験と隕石分析による星間有機物から生命構築分子系への進化シナリオの構築
Project/Area Number |
17204050
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 憲正 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20183808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良岡 浩 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20198386)
三田 肇 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00282301)
橋本 博文 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 講師 (50272175)
金子 竹男 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50191987)
高野 淑識 北海道大学, 大学院・理学研究科, 学術研究員
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Keywords | 星間有機物 / 化学進化 / 生命の起原 / アミノ酸 / 宇宙線 / 紫外線 / 光学活性 / 隕石有機物 |
Research Abstract |
1.メタノール・アンモニア・水の混合物を凍結したものを模擬星間物質として用い、これに放医研のHIMACからの炭素ビームを照射し、「模擬星間有機物」を合成した。そのキャラクタリゼーション法として、熱分解GC/MS、NMR、ゲルろ過HPLC、MALDI-TOF-MS、加水分解後のアミノ酸分析などの適用を試みた。その結果、星間で分子量数千の複雑な構造を有するアミノ酸前駆体が生成しうることが示唆された。 2.隕石中の有機物を計測するシステムを構築した。既存のクリーンベンチを改良し、さらに、これを新規に購入した移動式クリーンルーム内に置くことにより、アミノ酸分析におけるブランクの低減を可能にした.本システムを用いて、海底熱水系より採取したチムニー試料中のアミノ酸や酵素活性の分析を行い、チムニー部位によるアミノ酸や酵素活性濃度の大きな差異があることを見いだした。また、岩石中の複雑有機物の解析法として、固体NMR法や蛍光分析法の適用も検討した。 3.紫外線や放射線による有機物の変成を調べる方法を構築した。放射線による変成は、放医研のHIMACからの重粒子線が利用することとし、試みに、タンパク質水溶液への照射し、その変成過程をMALDI-TOF-MSやゲルろ過HPLC法などにより行った。この結果、放射線による変成は熱変成と違う過程を辿ることが示唆された。紫外線照射のためには、ランプを用いるよりは放射光施設を利用する方が定量的に行えることがわかったため、その利用のための打合せを行った。 4.星間での不斉の発現を検証するためには、高精度のアミノ酸のエナンチオ分離が不可欠である。このため、クロロホルメイト誘導体化-GC/MS法の高感度化を試みた。また、HPLC法による新規エナンチオ分離のため、AQC誘導体化-逆送HPLC法の適用の可能性について検討した。
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Research Products
(6 results)