2005 Fiscal Year Annual Research Report
水素クラスターの赤外分光による水素分子超流動を探る
Project/Area Number |
17205003
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
唐 健 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (40379706)
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Keywords | 分子分光 / 分子の振動回転スペクトル / 赤外OPOレーザー / 超音速分子線 / 水素クラスター / 超流動 / ファンデルワールス分子錯体 / 高分解能分光 |
Research Abstract |
本年度では広い赤外領域(1.38〜2.00μm、2.28〜4.67μm)を連続的にカバーできる高出力(40mWまで)連続発振OPOレーザーシステム(独国Linos Photonics社製)を購入した。最初計画したSpectraStar OPOレーザーシステム(独国ELS社)は開発事項の不調で平成17年11月に注文不可と判断した後、独国Linos Photonics社の最新型のOPOレーザーシステム(OS4500)に変更した。今年度末に納品することになったため、OPOレーザー部分は現在まだテスト中である。超音速パルス分子線装置および非点収差多重反射セル(238回の多重反射まで、Aerodyne Research社製)と組み合せて、LabVIEWグラフィカルプログラミングおよびデータ集録デバイス(National Instruments社製)を用いて、高感度の赤外レーザー分光システムを製作した。 カナダ国立研究機構(NRC) Steacie分子科学研究所のMcKellar氏との共同研究では、従来のダイオードレーザー分光器を用いて13個までのパラ水素を含む気相のN_2O分子の水素クラスターの赤外スペクトルを観測できた。我々はこれまでOCS分子の7個までの水素クラスターの観測を行ってきたが、N_2O分子の13個までの水素クラスターの観測はそれに続いての成功である。しかし、水素分子の超流動現象の証拠はまだとらえられていない。新しい分光器を用いて広い赤外領域で多くの分子種の水素クラスターの観測が期待される。
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Research Products
(2 results)