2005 Fiscal Year Annual Research Report
多重安定性を示す新しい金属錯体の創製と分子機能連動系の構築
Project/Area Number |
17205007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 慶徳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20342636)
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Keywords | 多重安定性 / 錯体 / 分子機能 / フォトクロミズム / フェロセン / クラスター錯体 / 電子移動 / レドックス |
Research Abstract |
様々な構造・性質を有する遷移金属錯体分子を連結し、それぞれの個性を組合せたインテリジェントな分子系の創出は、「分子素子」実現のための材料として重要な役割を持つ。本研究の目的は、遷移金属錯体の化学・物理構造および多様な光学、磁気,電子物性が外部刺激に応答して可逆的に変化するインテリジェント分子系を創出し、それらを電極等と組合せることによって"分子レベルで機能する素子"をつくることである。具体的な本研究の素材となる物質は、1)π共役レドックス高分子錯体、2)フォトクロミック錯体、3)ドナーアクセプター(DA)共役分子、4)ヘテロメタルクラスター磁性錯体である。本年度は、π共役レドックス高分子錯体については、基板上への逐次的な錯形成法による一次元および三次元のオリゴマー、ポリマー鎖の合成を行い、分子鎖内の電子移動、電子輸送について解析した。フォトクロミック錯体については、光信号を電気信号に変換する分子系として、アゾベンゼン結合カテナン型ビス(ビピリジン)銅錯体の合成研究を行い、10ステップの合成の8ステップまで完了した。ドナーアクセプター共役分子については、フェロセン-キノン共役分子系における化学応答分子内電子移動と構造・物性変換を研究した。具体的には、プロトン付加によって分子内電子移動を起し、構造や物性変化を起すフェロセン-キノンπ共役分子系のプロトン付加体の構造を明らかにし、温度変化に伴う構造変化をメスバウアースペクトルとあわせて解析した。ヘテロメタルクラスター錯体については、既に見出したサーモクロミズムを示し、かつレドックス活性なジチオラト架橋三角形RhCo_2クラスター錯体の類縁体であるIrCo_2,RuCo_2クラスター錯体を合成し、その物性を明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Synthesis of Heterometal Cluster Complexes by the Reaction of Cobaltadichalcogenolato Complexes with Groups 6 and 8 Metal Carbonyls2006
Author(s)
M.Murata, S.Habe, S.Araki, K.Namiki, T.Yamada, N.Nakagawa, T.Nankawa, M.Nihei, J.Mizutani, M.Kurihara, H.Nishihara
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Journal Title
Inorganic.Chemistry. 45(3)
Pages: 1108-1116
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