2006 Fiscal Year Annual Research Report
多重安定性を示す新しい金属錯体の創製と分子機能連動系の構築
Project/Area Number |
17205007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (70156090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 慶徳 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (20342636)
久米 晶子 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (30431894)
米澤 徹 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (90284538)
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Keywords | 多重安定性 / 錯体 / 分子機能 / フォトクロミズム / フェロセン / クラスター錯体 / スピロピラン / レドックス |
Research Abstract |
様々な構造・性質を有する遷移金属錯体分子を連結し、それぞれの個性を組合せたインテリジェントな分子系の創出は、「分子素子」実現のための材料として重要な役割を持つ。本研究の目的は、遷移金属錯体の化学・物理構造および多様な光学、磁気,電子物性が外部刺激に応答して可逆的に変化するインテリジェント分子系を創出し、それらを電極等と組合せることによって"分子レベルで機能する素子"をつくることである。具体的な本研究の素材となる物質は、1)π共役レドックス高分子錯体、2)フォトクロミック錯体、3)ドナーアクセプター(DA)共役分子、4)ヘテロメタルクラスター磁性錯体である。本年度は、π共役レドックス高分子錯体については、基板上への逐次的な錯形成法による一次元および三次元のオリゴマー、ポリマー鎖の合成を行い、レドックス伝導機構を電気化学的に解析し、その結果が、新しい分子鎖内電子輸送の概念で説明できることを提案した。フォトクロミック錯体については、記憶の深さを調節できる分子としてフェロセニルスピロピランを開発した。また電子コミュニケーションを光制御する分子としてビス(フェロセニルエチニル)エテンを開発した。一方、ドナーアクセプター共役分子については、1,4-ビス(フェロセニル)アントラキノンが非常に速い結晶成長をし、さらにゲスト刺激による可逆的単結晶構造変換をすることを見出した。ヘテロメタルクラスター錯体については、ジチオラト架橋三角形[MRu_2](M=Rh,Ir,Ru)クラスター錯体が50電子系で、ユニークな金属-金属結合様式をとることを明らかにした。
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Research Products
(16 results)