2006 Fiscal Year Annual Research Report
ホイスラー合金を用いた高トンネル磁気低抗素子の創製とスピン注入磁化反転
Project/Area Number |
17206001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 照宣 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (60101151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 康夫 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60250726)
久保田 均 産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 研究員 (30261605)
水上 成美 日本大学, 工学部, 講師 (00339269)
大兼 幹彦 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (50396454)
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Keywords | エピタキシャルホイスラー合金 / Co_2MnSi / TMR比 / エネルギーギャップ / 微細化 / スピン注入磁化反転 / 反転電流密度 / ダンピング定数 |
Research Abstract |
1.エピタキシャルホイスラー系合金電極高TMR接合の作製 (1)前年度高TMR比を得たCo_2MnSi/Al-O/CoFeトンネル接合(MTJ)に関して規則度と飽和磁化ならびにTMR比の対応関係を詳細に調べた。その結果、高TMR比を得るにはL2_1またはB2の規則度を有する必要があることが明らかとなった。 (2)更に、両磁性層をホイスラー合金としたCo_2MnSi/Al-O/Co_2MnSiトンネル接合で2KにおいてTMR比570%を得た。この値は、世界で最高の値である。 (3)トンネルコンダクタンスのバイアス依存性から、Co_2MnSiのエネルギーギャップは350〜400meVであり、理論計算の値と良く一致することを示した。また、Co_2MnSiのDOSのフェルミエネルギーと伝導帯のバンドエッジが約10meVと非常に小さく、これによりTMR比の温度ならびにバイアス依存性が顕著であることを明らかにした。 2.微細化とスピン注入磁化反転 (1)Co_2MnSi/Cu/Co_<75>Fe_<25>CPP-GMR素子で反転電流密度J_<co>=7.5×10^6A/cm^2を得た。 (2)CoFeB電極、MgO障壁トンネル接合に関して100nmサイズMTJ作製プロセスを確立した。 (3)上記MTJでTMR比>150%、RA<10Ωμm^2を得た。 (4)上記接合(CoFeB薄膜2nm)においてJ_<co>=6.7×10^6A/cm^2を得た。 3.ダンピング定数αに関して (1)Co_2MnSiをはじめとするホイスラー合金のαは一般に小さく、パーマロイのそれと同程度であることを明らかにした。 (2)強磁性フリー層が薄くなるにつれてαが増大するが、この増大を抑える方法を見出した。
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Research Products
(11 results)