2005 Fiscal Year Annual Research Report
電圧印加非接触原子間力顕微鏡法/分光法による機能ナノ構造界面の電子物性計測
Project/Area Number |
17206005
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
富取 正彦 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (10188790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 豊子 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (20250235)
村田 英幸 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (10345663)
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Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / 電圧印加非接触原子間力分光法 / ナノ構造界面 / 電子物性 / ナノ力学分光 / シリコン |
Research Abstract |
本研究では、電圧印加非接触原子間力顕微鏡法/分光法(Bias nc-AFM/S)を活用して、固体表面上の電子・光機能ナノ構造の原子・分子配列、結合・電子状態、基板との界面電子物性を原子スケールで解析する.そして、AFM探針と試料間の印加電圧がもたらすフェルミ準位シフトを利用したナノ構造・界面物性評価法を確立する.また、規整ファセットで取り囲ませた先鋭化金属・Si探針を異原子・分子で化学修飾し、探針-試料間距離・印加電圧を変化させ、探針とナノ構造の結合を準安定から安定状態にまで意図的に変化させ、結合・トンネル/接触電流・エネルギー散逸の変化を解析する. 試料の一つは、Si表面にアミノ基を介してπ共役系ベンゼン誘導体分子を結合させたものである.この系は共役系ポリマーを利用した有機EL素子の基本構造の一つである.この試料は既存の超高真空有機分子エピタキシャル成長装置で作製するが、Bias nc-AFM/S超高真空装置とは離れて設置されている.両者間で作製した試料を大気に触れることなくに搬送するための試料移送機構を開発した. 規整単結晶ナノピラーSi探針を調製し、その伝導特性をSi(111)7x7を試料として測定した.探針-試料間距離を近づけると、トンネル障壁の崩壊が始まり、電子伝導特性がトンネルからバリスティックに変化すること、このときBias nc-AFM/Sスペクトルと電流-電圧特性を同時に測定し、相互作用が強くなる電位(探針と試料間で量子力学的共鳴準位が形成される電位)で電流も共鳴的に増大することを見いだした(PRB誌に発表). イオンスパッターや加熱による清浄化Si探針上にGeクラスターを成長させ、組成規整先鋭化探針の調製を試み、超高分解能SEMやSAMで解析した.本探針は加熱のみで先端に歪みGeクラスターが成長し、そのファセットによって鋭利になることが期待される.
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Research Products
(3 results)