2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノウォールを基盤とする次世代高性能ディスプレイの開発
Project/Area Number |
17206006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 勝 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80242824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 美根男 名城大学, 理工学部, 助教授 (50199098)
高島 成剛 名古屋大学, 工学研究科, 研究員 (80397471)
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Keywords | カーボンナノウォール / 初期成長 / 分光エリプソメトリー / ダイアモンドライクカーボン / 電界電子放出特性 / グラフェンシート / 水素プラズマ |
Research Abstract |
新規カーボンナノ構造体であるカーボンナノウォールの高精度形状制御とその電子放出源への応用を目的に、下記に示す研究課題を実行し、知見を得た。 1.カーボンナノウォールの初期成長過程の解析 カーボンナノウォールの生成メカニズムを解明するために短時間での堆積を行った。堆積時間をパラメーターとし、表面および断面形状を走査型電子顕微鏡で評価した結果、堆積時間1minよりカーボンナノウォールが成長し始めることが判明した。初期成長試料について、分光エリプソメトリーの結果から光学モデルを構築し、光学定数と膜厚を求めることに成功した。構築したモデルから光学的性質を評価した結果、成長初期では屈折率よりDiamond-like carbon(DLC)が形成されていることが判明し、堆積時間5minからは屈折率から導電性を示し、金属的挙動を示すことが判明した。以上の結果から、カーボンナノウォールは初期過程ではDLC膜が形成され、堆積時間1minよりグラフェンシートが板状に垂直成長し、カーボンナノウォールが形成されると考察される。 2.カーボンナノウォールの電界電子放出特性 カーボンナノウォールの電界電子放出特性の向上を目的として、水素プラズマ処理を行った。未処理のカーボンナノウォールのしきい値電界は6.0V/μmであったが、水素プラズマ処理を行った結果、しきい値電界は5.5V/μmに減少し、電子電界放出特性は向上することが判明した。また、電流密度については未処理では2μA/cm^2であったが、水素プラズマ処理後は約1桁増加し、10μA/cm^2であることが判明した。処理後の表面及び断面の走査型顕微鏡観察から、未処理試料とは表面形状が異なっていることが判明し、水素プラズマエッチングによる表面形状の変化が電界電子放出特性の向上の原因として考察できる。以上より、水素プラズマ処理によりカーボンナノウォールの電界電子放出特性を向上させることに初めて成功した。
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Research Products
(4 results)