2006 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノウォールを基盤とする次世代高性能ディスプレイの開発
Project/Area Number |
17206006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 勝 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (80242824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 美根男 名城大学, 理工学部, 教授 (50199098)
高島 成剛 名古屋大学, 大学院工学研究科, 研究員 (80397471)
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Keywords | カーボンナノウォール / 形状制御 / ラマン分光法 / 電界放出特性 / 酸化マグネシウム / 電子ビーム蒸着 / 仕事関数 |
Research Abstract |
新規カーボンナノ構造体であるカーボンナノウォールの高精度形状制御とその電子放出源への応用を目的に、下記に示す研究課題を実行し、知見を得た。 1.カーボンナノウォールの形状、構造制御 カーボンナノウォールの形状と電界放出特性との関係を調査した。圧力、投入電力、堆積時間などのカーボンナノウォール作製条件を変化させ、カーボンナノウォールの高さや、壁の間隔といった形状の制御に成功した。得られた種々の高さや壁間隔を持つカーボンナノウォールの電界放出特性を評価した。その評価結果より、壁の高さと壁間隔の比率が1対1の場合に最も良い特性が得られることが分かった。これは、電界集中の効率と、電子放出サイトの数がカーボンナノウォールの形状によって最適化されたためと考えられる。また、同様に作製条件を制御することで、カーボンナノウォールの形状を保ったまま、結晶構造を変化させることに成功した。結晶構造はラマン分光法によって評価した。結晶構造は電気伝導を左右すると考えられ、電界放出の特性にも大きな影響を与えると考えられる。 2.カーボンナノウォールの電界電子放出特性 カーボンナノウォールの電界放出特性の向上を目的として、カーボンナノウォールへの酸化マグネシウムコーティングを行なった。電子ビーム蒸着装置を用いることで、酸化マグネシウムが均一にカーボンナノウォール上にコーティングされていることを走査型電子顕微鏡によって確認した。未コーティングのカーボンナノウォールのしきい値電界は6.0V/μmであったが、酸化マグネシウムを5nmコーティングした場合、しきい値電界は3.7V/即に減少し、電界放出特性は向上することが判明した。得られた電界放出特性に対応するFowler-Nordheimプロットから、カーボンナノウォールの実効的な仕事関数が減少したことによる特性向上が考えられる。
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Research Products
(3 results)