2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学効果を用いたテラヘルツ波シンセサイザーの開発
Project/Area Number |
17206008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷内 哲夫 Tohoku University, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (80260446)
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Keywords | テラヘルツ波 / 非線形光学 / 有機結晶 |
Research Abstract |
研究項目:プログラム制御THz波シンセサイザーのシステム化とTHz波分光技術の開発 19年度は,THz波シンセサイザーの高性能化に有効なDAST系新結晶材料の研究を行った。DAST結晶のアニオンのメチル基をクロル基に置換したDASC結晶およびDAST/C混晶を開発し,それらのTHz波発生特性の評価を行った結果,DASTとDASC結晶を組み合わせることにより,より広い周波数範囲で出力強度変動の少ないTHz波シンセサイザーが実現できることを見出した。 また,18年度までに基礎検討した有機DAST結晶と無機GaP結晶を用いた高出力THz波発生系をプログラム制御したTHz波シンセサイザーを開発し,小型ケース内に収めると共にPC制御部と合わせたシステム化を行った。本光源システムと室温動作の焦電検出器を組合わせたTHz波透過・反射分光システムを新たに開発し,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリイミド等の高分子材料およびGaAs, GaN, ZnO等の半導体材料におけるTHz波透過・反射分光測定を行い,波長可変THz波分光の有効性を実証した。特に,4〜30THzの高域THz波を用いたGaAsおよびGaNの反射分光によりキャルア密度を非接触で測定可能であることを見出し,半導体材料評価システムとして応用が有望であることを実験的に確認した。また,SDカード内の金属パターンの反射イメージングが室温動作の焦電検出器で可能であり,分光イメージングシステムとして実用性が高いことを実証した。本研究による実用性の高いTHz波シンセサイザーシステムは,THz波域における分光だけでなくプロセシングも含めた異分野の学際研究に有利であり,THzテクノロジーの進展に大きな貢献が期待される。
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Research Products
(4 results)