2005 Fiscal Year Annual Research Report
広範囲(100mm角)・微細(100nm幅)形状のための金型転写技術の開発
Project/Area Number |
17206012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 政之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90242007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱口 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90345083)
土屋 健介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80345173)
大井 健 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (00345084)
森田 昇 富山大学, 工学部, 教授 (30239660)
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Keywords | ナノ・マイクロ加工 / 微細金型 / ホットプレス / 射出成形 / ナノ光学素子 |
Research Abstract |
新たな機能を有する光学素子を製造するために、広範囲(100mm角)で微細(100nm幅)な形状を創成する金型転写技術を開発することが、本研究の目的である。 研究期間内に具体的に実施したいことは、(a)キャビティ内の温度・熱流束・圧力・変位・流速などを、局所的に測定・制御できるセンサやアクチュエータを試作して、工程設計通りに広範囲を一様に形状転写すること、(b)金型材料としてセラミクスや純金属を表面に付与した材料を用いて、金型表面上に微細形状を加工すること、(c)新機能の光学素子を計算で設計し、それを実際の金型製作・転写まで実装すること、である。 平成17年度では上記の研究目的に対して、それぞれ以下のように研究を実施した。 (a)金型局所制御では、微細形状が付与されている部分だけ局所的に温度・圧力を高くすることを試みた。具体的には、アクリルの導波板をホットプレスするための金型を試作し、高温と低温のフロン系の媒体を金型内の流路に流して短時間で加熱・冷却した。この結果、ホットプレス時間を10秒と長くすると、広範囲にやや微細(10μmピッチ)の形状を転写できた。しかし、いまだホットプレス時間を1秒と短くすると十分な熱伝導が得られないことがわかった。 (b)金型微細加工では、様々な金型材料で10mm角程度の範囲に形状を作成し、それをレプリカで広範囲に展開できることを示した。金型材料として、CVDで成膜した炭化珪素、またはニッケルを無電解メッキした金型鋼、ダイヤモンドライタ・カーボンを表面に成膜した超硬、などを試用した。炭化珪素には、電子線描画と高速原子線を用いて溝を作成した。ニッケルメッキ膜は直接、フォーカスイオンビームで除去加工した。 (c)光学素子試作では、まずマックスウェルの方程式で近接場光を表現できるシミュレーション・ソフトウェアを用いて、形状を最適化設計した。次にそれらを製作できる工程を設計する。たとえば偏光フィルタ素子については、縞状の凸を電子線描画マスキングとフォーカスイオンビームエッチングで創成した炭化珪素の金型を、600℃でホットプレスしてガラス表面に凹の溝を転写し、次いでスパッタ後に蒸着またはメッキで金を全面付与した後に、CMP(Chemical Mechanical Polishing)で溝以外の金を除去した。この結果、全反射面からにじみでた光を用いると赤緑青の3色素子、または90%の偏光率の偏光素子が作成できることを確かめた。
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Research Products
(3 results)