2007 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能を司る脳内酸素輸送トモグラフィと脳疾患医工学への応用
Project/Area Number |
17206020
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 Keio University, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40221840)
小川 邦康 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50272703)
池田 満里子 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (00051368)
小林 弘祐 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70153632)
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Keywords | 脳機能 / 酸素輸送 / CTイメージング / 医工学 / 脳血管 / 脳動脈瘤 / 血管内手術 / ステント |
Research Abstract |
脳血管からの酸素輸送は、主として動物の聴覚野における酸素分圧の測定を中心に検討を行った。聴覚野における神経活動は、純音(周波数を変えておこなう)とクリック音(動物が敏感に反応する音)に対する神経応答を膜電位感受性色素を使って、聴覚野におけるイメージンゲとして捉えた。その結果、時空間的に活動電位の分布が変化し、独特なトノトピーの特徴を捉える事ができた。さらに、聴覚野における酸素分圧を測定し、トノトピーに関わる酸素分圧分布を把握した。その結果、脳科学における課題である神経活動と酸素輸送とのカプリングを示唆する検討を行う事ができた。これらは、脳内の微小血管ネットワークを中心とする課題であるが、脳疾患はある程度太い脳血管において生じる。そこで、重篤な脳疾患の一つである脳動脈瘤の医工学的側面に関しても検討を行った。脳動脈瘤の破裂を予測するリスクファクターを確立させるため、患者CT画像からの血管網再構築と動物による脳動脈瘤誘発モデルの二つの立場から検討を行った。特に、特定な患者の動脈瘤の成長過程のCT画像から、成長過程と血流分布との相関について検討を行い、動物の誘発モデルに関しては、動脈瘤の成長過程と血管壁内の構造変化並びに、壁面せん断応力との関係について考察を行った。その結果、患者の動脈瘤の成長とともに、血流構造が徐々に変化し、その血流構造変化が動脈瘤の成長を促進している可能性があることが分かった。さらに、動物の誘発モデルにおいても、動脈瘤発生部位では、特徴的にせん断応力が低下している事がわかり、血流の刺激が動脈瘤の成長に関わっている事が示された。
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Research Products
(4 results)