Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大香士 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90362285)
山田 章 名古屋大学, 工学研究科, COE研究員 (20377815)
成瀬 恵治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
長谷川 忠大 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (10340605)
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Research Abstract |
従来のマイクロアクチュエータと違い,光エネルギだけで駆動制御するまったく新しい「光駆動ナノメカトロニクス」の世界を開拓するための研究を行った. 初年度であるため,光駆動ナノメカトロニクスの1)概念提案,2)製作手法,3)基本特性の実証,4)遠隔操縦装置の試作を中心に研究成果を得た. 1)基本概念の構築 従来のマイクロアクチュエータは,可動素子とエネルギ伝達用のリード線の両者のマイクロ化が不可欠であった.しかし,光駆動の場合,単に透明な材質でマイクロ,ナノスケールの可動部品があれば,可視,赤外レーザの照射により,レーザトラッピングの原理で,外部から遠隔駆動できる.さらに,透明ビーズの光トラップなど従来の光駆動では,運動の自由度は1/2に限定されていた.1/2とは,単に物体を押す作用だけで,物体を引っ張る方向の自由度はないからである.他方,本研究で提案している光駆動ナノマシンは,ロボットハンドのように,押す方向と引く方向に加え,ひねるなど,完全な6自由度を実現できる大きなメリットを持つ.細胞操作など微細作業に完全な6自由度をもたらすことができる. 2)製作手法 本研究室の独自開発のマイクロ光造形法の一つである「高速2光子ナノ光造形法」を用いて,軸付きギアなど可動メカニズムを100ナノメータの分解能で製作できた.ロボットマニピュレータと同様,多自由度を持つ10ミクロンのサイズのナノマニピュレータの試作に成功した. 3)基本特性の実証 YAGレーザをナノマニュピレータ内に焦点を合わせ,十分な早さで遠隔駆動することに成功した.10Hz以上の応答性も確認した. 4)遠隔操縦システムの構築 把持,リスト,アームの3自由度を持つ光駆動ナノマニピュレータと操縦用マスターハンドを開発したリアルタイムでの操縦実験で,光学顕微鏡下のスライドグラス上の水滴内で数ミクロン径の細胞を操作した.
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