2005 Fiscal Year Annual Research Report
相対的に土被りが浅い都市トンネルの地震時の安定性に関する研究
Project/Area Number |
17206050
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 次朗 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40179669)
井澤 淳 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70345388)
大野 進太郎 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (50401534)
高橋 章浩 土木研究所, 主任研究員 (40293047)
吉迫 和生 鹿島技術研究所, 主任研究員 (80416742)
|
Keywords | 都市トンネル / 耐震性 |
Research Abstract |
今日,都市圏空間の高度利用は必然的に地下空間の利用を促進させている.これまでに地上に設置されてきた施設でさえも,都市居住環境の質の向上・保全のために地下に設置され,高架方式の鉄道・道路施設の新設は周辺住民の合意を得ることが困難になりつつあり,都市トンネルの建設契機は増大している.特にシールドトンネルと比べて建設費も安価で比較的容易に任意断面を構築できるNATMトンネルの適用性の拡大が期待されている.都市NATMの耐震性の必要性は,土木学会トンネル標準示方書でも強調されているものの,耐震設計の確立には多様な地盤条件下と幾何学的制約条件における地盤と構造物の相互作用に関する詳細なメカニズムの把握が要請され,現在でも明確かつ合理的な耐震設計法は確立されていない.NATM工法では地山自体のアーチ効果を期待し,即ち緩みを許し,覆工にかかる土圧はシールド工法と比較してかなり小さくなる.そのメリットであるアーチ効果が,地震時或いは地震後どこまで有効に保持されるかという点に関しては,適応土質,トンネル形状を含めほとんど明らかにされておらず,NATM工法の適用性拡大に向けた大きな課題といえる. 本年度は過去の大規模地震時におけるトンネルの被害調査結果と共に,都市トンネルに関するの現行耐震設計法の問題点を示した.また,初期土圧分布及びその後の地盤変位によるトンネル覆工に作用する断面力を把握し,トンネルの耐震性を評価するため,アルミニウム製円形トンネルを用いた遠心場せん断土槽実験を行った.その結果,初期土圧及び断面力分布や周辺地盤のせん断変位によるそれらの分布の変化を明らかにすることが出来,遠心場せん断土槽実験の適用の可能性を示した.今後,遠心場せん断土槽実験だけでなく,振動台実験や数値解析を通して,都市トンネル全般の耐震性に関する評価を行っていく予定である.
|
Research Products
(2 results)