2006 Fiscal Year Annual Research Report
広域多重連成・開放系としての沿岸浅海生態系の劣化の構造解明と保全戦略研究
Project/Area Number |
17206052
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70164481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅根 創 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (60192548)
仲岡 雅裕 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (90260520)
浜口 昌巳 独)水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所, 研究室長 (60371960)
宮澤 泰正 独)海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (90399577)
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Keywords | リーフ内海水流動 / 栄養塩動態 / 陸源負荷 / 海草藻場 / 遺伝子マーカー / 広域幼生分散シミュレー / reef connectivity / 底質コア分析 |
Research Abstract |
1)沖縄・石垣島において,リーフ内の流動や土壌粒子(赤土)の移流拡散,栄養塩や植物プランクトンの時空間変動等に関する現地観測を行い,それらの特性を明らかにした.2)同海域に隣接する轟川流域からの赤土・栄養塩流入負荷量についての長期連続観測を実施した.3)リーフ内流動モデルに関して,新たに台風による強風のforcing効果を取り込んだ形に発展させるとともに,その計算結果と上記のリーフ内現地観測結果に基づいて,強風下でのリーフ内流動構造の形成メカニズムを明らかにした.4)海草類の生産・生長に対する水温やシルト流入などの環境要因の影響を,石垣島の海草藻場を対象に解析した.シルトクレイ含有率の増加に伴いウミショウブの生産性が増加する一方,他種の海草類が減少することから,シルト流入に伴う競争種の減少がウミショウブの生長に有利に作用していることが示された.5)昨年度までに開発したオニヒトデ・マイクロサテライトマーカーを用いて,国内10カ所海外5カ所から採取したオニヒトデサンプルの集団解析を行ことにより,様々な空間スケールでのオニヒトデの遺伝子流動の実態を明らかにすることに成功した.6)JCOPE海水流動モデルに基づくオニヒトデ幼生分散シミュレーションに,水温や塩分等の物理環境情報をオニヒトデの生残率評価に反映させたモデルを組み込むことにより,フィリピン-琉球列島-本州・四国・九州をまたぐ海域におけるオニヒトデ幼生からみたreef connectivity解析を行った.7)石垣島・沖ノ鳥島のサンゴ礁掘削コアの解析によって,海面変動に伴うサンゴ群集の変遷とサンゴ礁地形の形成過程を明らかにした.8)海水-大気CO2交換速度の測定に成功し,それがサンゴ礁の複雑な地形によって規定されていることを明らかにした.9)マングローブ泥のコアを採取し,コアに含まれる人為起源物質の同定法について検討した.
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Research Products
(25 results)