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2006 Fiscal Year Annual Research Report

ハギア・ソフィア大聖堂の修復史とその評価、および今後の修復・保存に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17206062
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

日高 健一郎  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (30144215)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 花里 利一  三重大学, 大学院工学研究科, 教授 (60134285)
高瀬 裕  立命館大学, COE推進機構, 教授 (50388104)
水嶋 英治  常磐大学, コミュニティ振興学部コミュニティ文化学科, 教授 (70372886)
吉野 邦彦  筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (60182804)
Keywordsドーム / ハギア・ソフィア大聖堂 / コンスタンティノポリス / ビザンティン建築 / イスタンブール
Research Abstract

平成18年11月16日から11月22日にハギア・ソフィア大聖堂で現地調査を行った。主たる調査項目は、前年度実施の写真測量の補足調査、堂内特に南北テュンパヌムの劣化調査、博物館機能調査、モザイクの劣化調査である。現在アヤソフィア博物館として公開されているハギア・ソフィア大聖堂の保存と活用を考察する上で、同博物館の展示環境、集客動線、展示手法についてのデータ収集と分析は欠かせない。見学路が決められた強制動線ではなく、堂内を自由に移動できる自由動線をもつ空間であるが、ほぼ主流となる動線路が定まっているので、堂内のサイン計画はこの主動線を意識して構成する必要がある。また、高所にあるモザイクは観客の視線域に入らずに見過ごされる場合も多く、展示案内に工夫が必要である。動線調査に加え、主たる展示物であるモザイク壁面の注視時間の測定、モザイク保存環境の基礎データとしての温湿度と直射光照度も実測したが、これらについては、分析と視覚化を進めている。同時に行ったモザイク壁画の劣化調査では、デーシス画像の劣化が深刻であり、ほとんどの部分で表装の浮きが観測された。重要な壁画の剥落を防ぐために、緊急の処置が必要であり、その旨博物館当局に注意喚起を行った。アヤソフィア博物館の機能面における課題としては、バリアフリー化への取り組み、防災対策とリスク・マネージメントが挙げられる。特に、春から秋にかけての各国観光客の集中は著しく、館内の自由動線システムの欠点として、地震等の災害時の来場者避難誘導には、案内言語を含め、多くの問題がある。収集したデータをもとに、これらの課題に対する具体的提案を構想中である。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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